松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

2012-01-01から1年間の記事一覧

儒教は時代遅れではない。

「新儒家哲学について--熊十力の哲学」島田虔次著、同胞舎という本を借りて読んだ。 皆がほとんど興味をもたない儒教(それも朱子や仁斎に比べてもっとマイナーな20世紀中国の儒者)に、特段の興味を持っているわけでもない。ただ、自分の考える根拠が、西…

「言論の自由」のために闘う

中国の弁護士・浦志強人権派弁護士の浦志強が7月初旬、日本を訪れた。下記サイトで 阿古智子 (早稲田大学国際教養学部准教授)さんが紹介している。 全5頁で、内容も充実している。 とりあえず、リンクだけでもしておきたい。 http://wedge.ismedia.jp/art…

おはよう 紫陽花革命!

6月22日 ちゃる♪ ちゃる♪ ‏@ocharu_0619 おはよう「紫陽花革命」 Yoshi Nagatsuka ‏@epolard 【紫陽花革命 明日決行】 ‪#大飯原発再稼働決定をただちに撤回せよ‬ !6/22(金)18時〜首相官邸前と大阪・関電本店前にて再稼働反対の超大規模抗議を行います。10万…

鄭義の「二つの文革」論(その2)

上の文章は、誰も知らない雑誌に載ったほぼ入手不可能なエッセイを私がまとめたもの。これは以下で紹介している『中国の地の底で』より20年以上後に書かれたものだろう。 次に記すのは、東京大学出版会から去年出た教科書「中国語圏文学史」の一節。学界の…

鄭義の「二つの文革」論

「神樹」の作家である鄭義*1は2006年にこう書いている。「文革が発生してから、瞬く間に40年もすぎてしまった。」と彼は述懐する。*2 文革をどう理解し評価するか、について、支配者が決めたそれに、わたしたちは*3従っている。「反抗する民衆」が共産党の高…

火野葦平における、愛の甘さ

池田浩士氏の指摘を記載し確認しておきたい。 火野葦平が「ちぎられた縄」を書いた動機や意図の真摯さを疑う余地など、いささかもない。にもかかわらず、いまの視線で見るとき、この小説(および戯曲)にもまた、火野の少なからぬ作品がはらんでいる根本的な…

杭州難民の惨状

延齢大馬路というのは市中随一の大道らしく、けばけばしい色彩に塗られた高層建築物が立ち並び、戦前には最も繁華を極めていたであろうと思われたが、今は各家とも堅く戸を閉ざし、全く誰もいる様子が無かった。晝(ひる)問は物賣りの支那人や、残飯を貰い…

『花と兵隊』における不等価交換

私たちが杭州に入城したころには殆んど住民の影を認めなかったが、何所からかもう支那人の物賣りが我々の兵営の門を訪れて来た。これは我々を十分に〓(おどろ)かせた。(略)物賣りは殆どんど野菜ばかりであった。竹龍に、野菜、大根、赤い丸い大根、蕪な…

『花と兵隊』と幻の交歓

火野葦平の『花と兵隊』をようやっと読み終わった。難解な小説ではない。兵隊三部作を『土と兵隊』『麦と兵隊』の順に読み、3つ目だ。前二作と違い戦争シーンはほぼない。南京*1に続いて、杭州を陥落させた*2日本軍が、そこの守備をするその部隊に火野の部…

楊海英先生を囲む会のご案内

楊海英先生を囲む会日時:5月26日、土曜日第一部 15:00−16:45 講演・質疑・討論 テーマ「中国文化大革命とモンゴル人ジェノサイド」 第二部 17:00−19:00 懇親会、サイン会 場所:fermata(レストラン、貸し切り、素敵な雰囲気とシェフ…

ウイグル理解の困難をめぐって

scopedogさんからの、新たな応答。 id:noharraさん 独立すべきかどうかについては私にも答えられません。 独立できたとしても大量の血が流されるでしょうし、できる限り少ない犠牲で民族融和できればとは思いますが。 王力雄さんの本を読むと、漢人にとって…

scopedog氏からお返事いただいた

「批判されるべきはいずれかの民族ではなく、民族対立を悪化させた政府」http://d.hatena.ne.jp/scopedog/20120520/1337500752 野原のお返事 すばやい反批判ありがとうございます。私にとっておおむね納得できる理解であることが分かりました。前文の表現が…

ウイグル人は漢人に抑圧されているのか?

世界ウイグル会議(WUC、本部:ミュンヘン)は、5月14日〜17日に第4回世界ウイグル会議代表者大会を、東京で開催した。でその際、一行を日本側主催者が靖国神社に昇殿参拝させた事について、多方面から批判が行われている。 中国現代史研究者の水谷尚子氏…

子安宣邦氏の■昭和日本と中国

大阪( 梅田・アプローズタワー13階・14階・関西学院会議室(梅田・茶屋町口3分))での、子安先生の講義は下記のとおり。今日です!*1 第1回 日中戦争と文学の証言1─『生きている兵隊』 4月20日 第2回 日中戦争と文学の証言2─『麦と兵隊』 5月…

真実ではなく虚偽を提供したい支配者

大阪府・市が補助打ち切りを決めた大阪人権博物館(リバティおおさか、同市浪速区)について、松井一郎知事と橋下徹市長が、大阪国際平和センター(ピースおおさか、同市中央区)と統合し、近現代史全般を紹介する「近現代史博物館」としてリニューアルを求…

永遠にあきらめません(陳光誠)

陳光誠問題については、すでに大手新聞1面などにも大きく記事が載っている。ウィキペディアにもしっかりした記事がある。(自分の再確認のためにも簡単なメモを書いておきます。) 陳 光誠(ちん こうせい、チェン・グアンチョン、1971年生) 大学卒業後は…

賀川豊彦関連(シモツカレ氏)

ツッコミありがとう。 http://d.hatena.ne.jp/bogus-simotukare/20120414/5643098721 いや、「労組運動、農民運動や左翼政党」にコミットした賀川は立派に左翼だと思うが? 左翼という言葉に何の思い入れもないので、私にはどうでもよい。 「右派とは言え社…

賀川豊彦の栄光と悲惨

というわけで、賀川豊彦なのだが、 この人をどう評価するかは、大きな問題を孕んでいると感じた。昨日、いくつかのブログを見た印象で語ってしまうが。 賀川豊彦(1888〜1960)は、1909年(明治42)、21歳の時に神戸の貧民窟(スラム)に入り、キリスト者と…

中国民主化の課題とキリスト者の位置・役割

●日時 4月28日 (土)14:00〜16:00 ●場所 賀川記念館4Fメモリアルホール http://core100.net/kinenkan/access.html 神戸市中央区吾妻通5-2-20●講師 劉 燕子さん(作家・現代中国文学者)●料金 500円 賀川記念館事務局 Tel:078-221-3627 …

茉莉・傅・呉先生を囲む会 のご案内

東アジアのよりよい未来の道を 茉莉・傅・呉先生を囲む会 プログラム 茉莉氏「1989年天安門事件の亡命からダラムシャラへ」 傅正明氏「チベット亡命詩からディアスポラを考える」 呉洪森氏「自由を求める立脚点・未来の革命のための準備」 茉莉氏、傅正…

瓦礫受け入れが進んでいる

知らない間に、瓦礫受け入れが全国至る所の都道府県、市町村で決定されてしまっているようです。 あらま! だいたい、瓦礫なんてものをなんで膨大な運搬料金を掛けて運ぶ必要があるのか。阪神大震災(六甲大地震)の時は1年後にはには瓦礫はもうなかった。…

吉本原発論批判をすべきだ

とid:bogus-simotukare 氏に言われて、あまりその気はないのだが、実は無視することもできない事情がある。 一つは、去年ちょっと紹介した山浦氏が「げんこくだん」などによって吉本原発論批判をしていること。→http://d.hatena.ne.jp/noharra/20110504#p1 …

戦後啓蒙主義批判

http://d.hatena.ne.jp/noharra/20120317 の続き。「大衆の原像」に関連し、笠井潔氏は以下のように呟いた、3月24日。 小松左京のデビュー作「地には平和を」は、パラレルワールドで本土決戦を戦う少年兵と、平和と繁栄の戦後日本を生きる青年(同一人物…

朝鮮学校生徒たちが、金正恩を讃美する歌問題

noharra2012/03/25 10:44 「平壌で朝鮮学校生徒たちが、金正日、金正恩を讃美する歌を歌い演劇を行ったこと」とRENKは明らかにした。 で、これについてシモツカレ氏は (1)それは虚偽であり、そんな事実はありえないしない。 というお立場でしょうか?noha…

チベットにおける人権侵害

「個人的には、私はチベットの僧の転生とやらは、転生とされた子どもの自己決定権は決定的に侵害されると考えています。」 http://d.hatena.ne.jp/bogus-simotukare/20071016/1307052595 シモツカレ氏は誰かの文を引用して賛同している。 それより先に、 上…

「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」誹謗について

id:noharra bogus-simotukare氏に: 「レイシスト団体・守る会」 「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」はレイシスト団体である、とあなたは断言するのですね。 その根拠は何ですか? 偽であり誹謗中傷であるので、会員として公式に撤回を求める。http://d.h…

チベット問題

http://d.hatena.ne.jp/noharra/20120309 http://d.hatena.ne.jp/noharra/20120310 の続き 山際素男氏の「チベット問題 --ダライ・ラマ十四世と亡命者の証言」という本を読んだ。光文社新書、2008年刊と書いてあるが実は親本は1994年刊行と20年近く前。(…

沈黙の核あるいは〈関係の絶対性〜大衆の原像〉

友人NT氏が送ってくれたパンフの文章の一部を紹介する。私は17歳の時から自称吉本主義者であったが、〈大衆の原像〉という言葉はよくわからず現在まで来た。 その言葉の魅力(魔力)の一側面を見事に伝えているので、書き写してみた。 沈黙の核あるいは…

コメント欄id:bogus-simotukare 発言削除 

http://d.hatena.ne.jp/noharra/11001107#p1 へ。

チベット焼身自殺者たち

焼身供犠という言葉もあるようだ。 2009年 1. 2月27日 Tapey 20代 ガバのキルティ僧(入院中)2011年 2. 3月16日 Phuntsog 20才 ガバのキルティ僧 3. 8月15日 Tsewang Norbu 29才 ガンツェのタウの僧 4. 9月26日 Lobsang Kunchok 18-19才 ガバのキルティ僧 5. …