松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

2004-12-01から1ヶ月間の記事一覧

漢字袋

というサイトを見つけた。 だいたいどんな漢字でも出るようだ。簡単な意味もついている。すごい。 (コピーアンドペーストはできないが。) http://kanji.zinbun.kyoto-u.ac.jp/~yasuoka/kanjibukuro/ # 漢字袋は安岡孝一と安岡素子が共同で製作中の「コンピ…

金文紹介のサイト

http://e-medicine.sumitomopharm.co.jp/e-medicine/komiti/ 金文(青銅器などに刻まれた古代中国の漢字)甲骨文などを画像付きで親しみやすく解説しているサイトでとても面白い。 例えば、懼の字。この甲骨文のように鳥が目を左右にくるくる回して天敵の襲…

石垣りん死去

詩人の石垣りん(いしがき・りん)さんが26日午前5時35分、東京都杉並区の病院で死去した。84歳だった。 20年、東京・赤坂生まれ。34年に高等小学校を卒業して日本興業銀行に入り、75年の定年まで勤めた。 http://www.asahi.com/obituaries/upd…

大掃除

家の外の道路を掃いていてふと上を見ると、木に汚い枯れ葉がたくさんついているのに気がついた。名前を知らないつるつるした葉の常緑樹にアフリカ原産のやたら生命力の強い朝顔が一面に巻き付いて今なお花を咲かせようかという勢いだ。大きな朝顔の葉は緑の…

大学闘争

松下昇の概念集・1 から「大学闘争」を下記に掲載しました。 id:noharra:11000122

そこに言葉があるとは限らない

概念集・3からは最初の部分、松下がめずらしくゲーテを引用している部分から引こう。*1 ゲーテの「ファウスト」第一部で、メフィストフェレスが次のようにいう。 「概念が欠けている正にその場所に、言葉が丁度よい時に姿を現わす。論争も体系の構築も信仰…

怠け者

わたしは仕事が嫌いだ。まあそれは普通だ(?)と思うのだ。だが次の問題はけっこう大きな欠点だ。自分の趣味、しなければならないことの領域、でも仕事(のようなこと)がなかなかできないという点。なにかやろうとしてもその9割近くは些事であり、それが…

不可能性の上に存在する

12/20以降引っ掛かっている水村美苗ですが、このテキストはまず次のことを教えてくれた。 1.自前の身体でしか思考できない。わたしは。 であるにもかかわらずこのテクストは次のことも暗示している。 2.<外国>でしか思考できない。 このテクストは、「ソウ…

サミズダットさん

id:noharra:20041220 を、サミズダットさんにリンクしてもらったので、200人以上の人が来てくれた。感謝。 鏡は半島にいつもあるんだよー! そのとおり。(でもわたしも朝鮮半島のことはほとんど知らないなあ。)ところで彼女の文章はすごいよ!! 会が終…

アジア人になれるのか

だけども野原は、12/20の文章で水村を引用しながら、この結論には触れず、「日本人の名誉白人意識は揺らいでいない」という反対のことを断言しているのだ。 日本国内で無自覚に生きている限り、韓国と出会わざるをえないという体験などしなくても生きていけ…

わたしは否応なしにアジア人だ。

日本人は東洋人であるということは歴史が否応なしに日本人に教えてくれたんだ、とこの水村の文章は述べている。【「もう遅すぎますか?」−−初めての韓国旅行 水村美苗】、をもう一度読んでみよう。引用した部分の骨格は次のようだ。 韓国人と日本人は似てい…

アジア人である私?(2)

id:noharra:20041220の続き

もう遅すぎますか?

「圧倒的に多数の日本人は誰もが自分たちは西欧文明圏に属していると思っている。」溝口雄三氏の文章だそうだが確かにその通りだろう。小学生の息子にきみたちはアジア人だと教えようとしたのだが上手くいかなかった。*1 きらびやかなパーティにある男が出席…

壁のごとし

今日はちょっと酔っぱらっていたので、本屋に行って文芸誌なんかかったことないのに、「文学アジア」とかいう特集につられて『新潮』200501月号を買ってしまった。 ダルウィーシュ*1の「壁のごとし」という詩が載っている。ダルウィーシュはパレスチナの詩人…

華やかなクリスマスのイルミネーションとキリスト教の愛は何の関係もない。キリスト教の愛は、酒鬼薔薇を愛せるか、という不可能性に存在する。

あなたのなかの「善」を信じる

山下京子さん、被害者の母が、「酒鬼薔薇」が本退院することへの現在の気持ちを語っている。 今年の8月、私どもは彼からの手紙を2通受け取りました。 あれほど、「まずは手紙で、謝罪の思いを本人から伝えてほしい」と切望していたにもかかわらず、私はす…

北朝鮮は餓え凍えている

# swan_slab 『>拉致された日本人を北朝鮮から奪還せよ、というストーリーばかりが叫ばれる そのためには食糧支援も止めてやる!といってしまうわけですよね。。 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041209-00000057-kyodo-intこんな記事が出ているときに…

デリダはアラブ系ユダヤ人

デリダはフランス人でありユダヤ人だった。そして彼がアルジェリアから来たことも広く知られている。だが彼はカミュのように植民者の子孫としてアルジェリアに生まれたわけではない。1962年アルジェリアが独立したとき、植民者の側にカテゴライズされ離散さ…

パレスチナとデリダ

パレスチナ連帯運動の目立つ場所でデリダが発言するということは余りなかったんですね。*1「パレスチナ研究誌」にも書いていません。ではどこで、イスラエル・パレスチナ問題を激しい言葉で語ったかというと、常にユダヤ人の前でした。その多くがイスラエル…

日本のユダヤ人問題

日本のユダヤ人問題といえば、朝鮮人問題ということになる。1910年以来民族の独立を奪い民衆を抑圧したという事実の存在は、同時期におけるアウシュビッツにいたるユダヤ人抑圧〜虐殺の事実とパラレルである。(第三世界人、つまり予め植民地化されるべき民…

他者の不在

追悼が要求しているように、自分に負債があることを表明せざるをえないと感じるときが、来るのである。自分が友に負っているものを語るのは義務だと感じるときが。(デリダ)『現代思想 2004・12』p81より 追悼という主題に興味はない。id:noharra:20041030…

女という記号

(1) id:noharra:20041201 に書いたことは、「新田は間違っている。」なんていきなり決めつけて乱暴であり、読者の理解を絶している。もう一度考えてみよう。*1 911以後にジュディス・バトラーは「Precarious Life」という本を書いたらしい。(Precario…

虐殺を糾弾するだけでは

虐殺を糾弾するだけだと、レジスタンス側が意外に強かった場合、虐殺じゃあなかったじゃないか、と反撃されてしまう。戦っている当事者に対し1段も2段も高い観客席から、反ヒューマニズムという超越的価値観によって評価している態度、そうであってはいけ…

ファルージャ情勢の謎

ファルージャについては、「レジスタンスが旧市街を取り戻す」という話もあったがよく分からないと、id:noharra:20041130#p3 に書きました。 ファルージャでは、地域の部族社会がレジスタンスを闘っているだけ、と当然わたしは思っていたのですが、id:amtさ…

なぜイラク人を虐めるのか?

8月5日に広島で開催された、ハナ・イブラヒムさんとムザッファル・アハマド・モハメドさんの報告から、引用したい。(id:noharra:20040807#p2 で言及した集会)http://iraq-pgp.jugem.jp/?eid=3(イラクから伝えたいこと-イラク市民を囲んで) 将校はテン…

読んでみてね。Baghdad Burning

http://www.geocities.jp/riverbendblog/index.html リバーベンドさんのブログについては、id:noharra:20040409 id:noharra:20040504でも引用した。2003年8月から始まり、11/29分まで翻訳されている。7月には400頁以上もある本が東京で出版されている…

不平等社会日本

人々は、堅気の男と悪党とのあいだの道徳的な違いをあまりにも大きく考えすぎている。泥棒や殺人者に対する法律は、教養がある者たちや富んでいる者たちに有利なようにつくられている。 ニーチェ(p439『生成の無垢・上』ちくま学芸文庫) それともわたした…

資料の位置

松下昇氏の『概念集・5』〜1991・7〜 から、「資料の位置」という2頁の文章を引用する。 資料の位置 二十年にわたって集積した資料を、炎に変換する直前の視線で一瞬に読み直し、何か魅きつけるものがあれぱ、保存用の場所におくが、大多数は足許のダンボ…

たすけがくるまで待っていた

ヴァジニア・ハミルトンの『マイ ゴースト アンクル』島式子訳原生林 という本を読んだ。(原題は「Sweet whispers,Brother Rush」)大傑作だ。障害を持った弟と二人で暮らしている貧しい黒人の少女が幽霊を見る話。(お母さんは1、2週間に1度くらいしか…

ほんとうに勢いのある精子なのか?

上記検索システムより、 衆議院 - 文部科学委員会 - 13号(平成14年06月05日)から引用してみたい。社民党の北川れん子氏の発言。 今、どうしても、前回もなんですけれども、社会的な議論というのが成熟していない中で、研究者の、研究をやりたい、おもしろ…