2004-03-01から1ヶ月間の記事一覧
金時鐘の詩は1行が短い。一字のこともある。平均しても5字前後。普通の詩なら20行も引用すると充分だが時鐘の詩はそうはいかない。だがこの日記のようなところで百行も引用しても間が抜けてしまう。そこで、最低の一まとまり約240行を下記に縦書きで…
わたしたちが<違法性への越境>という問題意識を持たざるを得ないのは、例えば、難民たちとの連帯を考える場合だ。ただ存在のために(生き延びるために)、一つの線を越えてしまうものたちが難民と呼ばれる。その線は国境であり同時に法である。下記のRE…
アンティゴネについては、死んでしまった少女にすぎないのに汗牛充棟しており、読めば読むほどわからなくなる。 「アンティゴネー的行為だって? もうけっこう!」と書かれた、http://d.hatena.ne.jp/gyodaikt/20040329 北田暁大氏の文章を読んでわたしは逆…
わたしが会ったことがある女性のうち、十分ほど話しただけだがそれでもすごくいい女だなあと感心した女性の夫は、その半年後首都で白昼人を殺した。女性の方は別に魔性の女という感じでもなかった。下記のようなうわさ話は好きじゃない。なら書かなきゃ良い…
日日という言葉は普通は「日々」と書くが、この点でだけ、金時鐘は日本語の正書法に従わない。「その日を生きる。/日本を生きる。/おれらが朝鮮を/創って生きる。」*1という行もある。日は日本の日でもある。そして日本は分断されていないのに、日日とい…
私は忘れない。 世界が忘れても この私からは忘れさせない。この3行は金時鐘の詩集『広州詩片』の序詩である*1。 「忘れない」と強く断言されている対象は何か? たしかにありはしました。燃えた熱気にゆらめいた日が。 生きるよすがを明日に見た 今日とい…
金時鐘氏の長編詩集『新潟』*1の一部を読んでみよう。この長い長い詩に作者は様々なモチーフをぶち込んでいるが、そのなかでも最も重く深い(表現不能性の方へ沈んでいく)モチーフの一つは、「1948年4月3日*2に火の手を挙げた済州島人民蜂起事件」*3だろ…
今日、SOUL for SALE というサイトを熱心に読んでいて、 http://www.socion.net/soul/index.php?itemid=273 「僕が今でも各種の反対運動(戦争だって輸入権創出だっていい)に対してどうしてもコミットメントをためらわざるを得ないのは、どこかで、どうして…
昨夜酔っぱらっていたので、というのは言い訳にならない。けど削除します。
ほんとに出来が良くはないので公開したくもない。などと言い訳はよそう。デリダの「限定定経済学から一般経済学へ−−留保なきヘーゲル主義−−」について、今日ささやかなレポートをした。そのために作ったレジュメ。htm化したので読めるかどうか? http://noha…
「私にはテロと戦う覚悟など一切ありません。万一、わたしの家族や親友がテロの犠牲になったらどんなことがあっても、小泉さんあなたに復讐します。イラク戦争はテロリズムの危険を増大させるだけだと、最初から分かっていたのに、あえて支持したのは小泉さ…
いっさいの忘却。存在の夜の底への深い降下。無知の発する限りない嘆願。不安の河に溺れること。深淵の上の方を滑ってゆくこと。そして、完全無欠な暗闇の中で、深淵の恐怖を味わうこと。孤独の寒さの中で、人間の永劫の沈黙の中で、戦慄し、絶望すること。……
「歴史の終焉」というコジェーヴの議論についてバタイユが解説してる文章を読んだので、ちょっとまとめてみよう。 前提としては、「人間とは否定を行う存在である」ということ(ヘーゲルのテーゼ)がある。であれば「もしも創造的反抗がなく所与がそのまま受…
向かへゐて千代も八千代も見てしがな空行く月のこととはずとも (貞信尼)
入金したので「波状言論05号」、とか言うのをメールしてきた。1/4ぐらい斜め読みしたが、北田氏と東氏若いのに昔語りなんかして うーん みっともないんじゃないの。要は自分の思想の核がないんだろう、だったら学問だけしとけ。 まあ野原の如き世捨て人が…
昨日「波状言論」への悪口を書いたがイマイチなので削除しようと思った。なにげないワルクチというものは感心しない、批判するなら20年経っても忘れないほどの思いでやれ、と思うので。ただ今見ると「波状言論」からのリンクが28もあるので一応残しておき…
http://www.asiavoice.net/nkorea/bbs/wforum.cgi?no=406&reno=392&oya=392&mode=msgview&page=0 朝民研掲示板から貼ります。 「野口さんといっしょに拘束された二名の脱北者を中国当局が強制送還してしまったようです。迫害のおそれがある場合は強制送還し…
方法とは、習慣的な規律のゆるみに対して加えられる暴力を意味する。 (略) 方法は流れに逆らう泳法だ。流れこそは人間を辱める。流れに逆らう手段は、それらがより悪しきものであればあるほど、わたしにはいっそう楽しいものだと思えるのである。*1 *1:p56…
自分の思惟を言表せんとしたわたしは、どうしても哲学様式をとるほかなかった。だからと言ってわたしは、哲学者たちに語りかけているのではない。*1巨大な“革命を怒号する騒乱”であった全共闘運動期に<何をどのように変革するのか、自分一人で表現せよ>と…
10個230円もするブランド品なんだと聞いて、へー。墓は不可避のものだ。裸体にすることも、劣らず不可避のことだ。(バタイユ) (註:意味不明な引用)
本に埋もれて暮らしていますなんていっても大層なことではなく、手に取る本に比べて読み終わる本が少ししかないというだけのこと。今日掃除(万年床を上げて掃除機を掛けるだけ)するといつものように二十数冊積み上がった。 そこで六月からの読書計画*1 1…
メルマガ『カルチャー・レビュー35号』の村田 豪氏「困惑する福田和也」について、著者ほかにメールしたのでこちらにもあげておきます。 http://homepage3.nifty.com/luna-sy/re35.html#35-3 で全文読める。(上記の上部にある岩田氏の文章にもすこしだけ…
私は存在する−−わたしのまわりには空虚がひろがり、現実の世界の暗闇がひろがっている−−私は存在する、不安のなかで、盲目のままに。*1「<私は存在する>は必然的に真理だ」とデカルトは言う。それは間違っていないが、どのように存在するかは論証していな…
浪花節のCDを買いにダイソーに行ったら、「魔法のロープ 帆」(一帆順風)という木と紐でできた頭脳パズルを売っていた。パズルとしては割と大きくしっかりしているので、子供のおもちゃ程度のものでもいいやと(百円ですから)買ったみた。結び目に閉じこ…