松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

ウイグル理解の困難をめぐって

scopedogさんからの、新たな応答。

id:noharraさん
独立すべきかどうかについては私にも答えられません。
独立できたとしても大量の血が流されるでしょうし、できる限り少ない犠牲で民族融和できればとは思いますが。

王力雄さんの本を読むと、漢人にとってもウイグルの普通の生活情況等を知ること自体がとても大変な事のようで、それは十数年前のことだけれども最近もっと悪くなっているようでもあります。知ろうとすること、それを阻害しようとする力と闘うことが大事かなと思います。(野原)

相互理解というのは難しいのでしょう。漢人は文化的優越感からウイグルの生活を理解しにくいでしょうし、一方でウイグル人は旧来の文化を捨てきれずに漢人との間に壁を作ってしまうところもあると思います。どちらが悪いというわけではありませんが、その間を調整しようとして待遇に差をつけるとより溝を深くしてしまう。中共政府にしても民族融和を目指しながら、解決できない困難さを抱えている。思うに、相互理解にはどうしても時間がかかる。しかし、その時間と共に国際環境も変化する。
十数年前に比べて悪くなっているのは確かでしょう。大きな原因が経済格差だと思いますが、うまくいけば経済成長が経済格差を飲み込み、表面的には民族融和が成立するかもしれないとも思います。

http://d.hatena.ne.jp/scopedog/20120520/1337500752#c1337621272

むずかしい問題ですね。じきお返事します。

パレスチナの苦難とイスラエルの苦難は同等に考慮されるべきか?もちろんそんなことはない。イスラエル市民にとってイスラエルの利益が第一義だ。それは当たり前の事。問題は、日本や西欧の市民に、イスラエル寄り利害関心が当たり前であるかのようなパースペクティブをマスコミ等が与えている事。


←さて「中国の市民にとって中国の利益が第一義だ。それは当たり前の事。問題は、日本の市民に、中国寄り利害関心が当たり前であるかのようなパースペクティブをマスコミ等が与えている事。」と言えるだろうか。おそらくそうである。特にウイグル問題についてはウイグル側の情報は皆無。


パースペクティブは存在していない、とさえ言える。その状態のなかで、あたかも両者が対等であるかのような前提に立った「中国人犠牲者への配慮」云々という言説を発してしまうことは、あまりにも不均等なパースペクチブという前提条件を無視するもののように思える。 

上手く書けないが、ツイッターで呟いてみたので転写しておく。(22日朝)