松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

悪=恣意的に線を引く権力

不安ベースの社会は、人間を人間扱いしない、ぼく風の言い方をすれば「動物」扱いする社会です。だからひどい社会といえばひどい社会です。しかし、社会の構成員全体をひとしなみに動物扱いするのであれば、それはそれで人間的な社会とも言えないことはない。最悪なのは、だれが人間でだれが人間でないのか、恣意的に線を引く権力です。大袈裟に言えばアウシュヴィッツの教訓はそこにつきるわけで、だからぼくは、日本に対する愛とかなんとか以前に、ナショナリズムの論理が嫌いなのです。
http://www.hirokiazuma.com/archives/000394.html

 アウシュビッツの後、63年間の最大の悪は何か? やはりそれはイスラエル国家のパレスチナ人に対する抑圧だと考える。*1 承知のようにユダヤ人とパレスチナ人は外貌や文化から区別できない場合が少なくない。すなわち、「恣意的に線を引く権力」そのものである。そう考えるので、上の東浩紀の意見には見るべきところがあると評価する。 ナショナリズムとは何かをここで特に論じる必要はないと思う。

*1:犠牲者数で考えているのではない