松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

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労働

とにかく、精神現象学のポイントの一つは労働です。 ルカーチによれば、*1 労働の対象においては不変な自然の法則性が働いている。労働はその知識、その承認を基礎にしてのみ行われるし、また効果を持ちうる。 そして、対象は労働によって新しい形式を得る。…

曙と精神

この間まで必死にヘーゲル読んでたのだがというか“必死”ではなかった。わたしは<必死に>といった情念に価値を置くマイナーグループのなかに長く身を置いた(とも言える)が、どうも<必死>は苦手である。せいぜい安吾の“あちらこちら命がけ”くらいか。さ…

ヘーゲルとは

滝沢克己氏が、ヘーゲルの核心を簡明に語っている。 『現象学』の数年前に書かれた『キリスト教の精神とその運命』において ヘーゲルは出会った、ほかならぬ自己そのものの成立の根底、すなわち 真に無条件に実在する基体であり同時に主体である聖なるもの、…

ヘーゲルは終わり?(12日間)

やっと549頁終わりまで辿り着いた。読了とえいるようなものではないが。今日は10日、昨日(12日目)で終わったことになる。p140からあと410頁だから一日40頁で十日で終わろうとしたもので、ほぼ予定どおり。 ただ内容的には、前から知ってた、「主と奴」「…

金の為か自分の為か?

えー正月だというのにヘーゲルとか読んでて淋しい奴だという自嘲にもめげず、四日目にして、やっと312ページまでたどり着きました!(「観察する理性」後半とばしたから)。これで後は240頁、40頁×6日分となります。 「C社会」は長谷川訳では「絶対的…

言葉の上の正義

大晦日、紅白かボブサップか暇人でもTVでも見てくつろいでいるというのに、わたしは(一応掃除とかもした後)孤独に面白くもないヘーゲルを読もうとしているのでした。でも紅白とか覗いてみたがヘーゲルより面白くないとはどういうことだ! p262ギリシロー…

人生は偶然か

・・有機体は、偶然のつながりのなかで生きているかにみえる。*1 見たところは偶然に見えるが、本当は「自己保存の必然性」という本質をもっている、とヘーゲルは言う。でもこれは現実が自分の理論に当てはまっていないのにむりやり理論を優先させて、レトリ…

不幸な意識は幸福な理性へ

「自己意識」の章が難解だが刺激的なのに比し、「理性」章(のはじめ)はつまらない(だがその分今までよりはだいぶ早く読める)。長谷川氏によれば、「不幸な意識がどのように分裂を克服したのかは説明されないまま、「B.自己意識」から「C.(AA)理性」…

生命

長谷川訳のヘーゲルをちょっと引用してみよう。 まわりの生命界から栄養を奪いとって自己を保存し、自己統一の感情に浸る個体は、この行為によって、自分の自立の根拠たる他との対立を克服する。自己統一を自覚することが、まさしく、他との区別を流動化する…

食欲

われわれが食物に面し、それをとって食べるさい、食物が自我に対立し自我から独立して絶対におかすべからざる他者性をもつと信ずるとすれば、とって食い自己化し得ないが、他者にちがいないとしても、自我に対立するだけの力をもたず、無力であると自我で確…

他者

他者といっても自己と全然別のものではなく、本質的には自己と同じものなのです。*1 『精神現象学』は面白くないこともないのだが、読むのに時間がひどく掛かるのが困りもの。長谷川宏訳作品社(isbn4-87893-294-5)で、読んでます。なんとか読了したい!す…