松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

2004-02-01から1ヶ月間の記事一覧

わたしたちはその偽善性が気に入らない

「限定経済学から一般経済学へ」のレジュメを書かないといけないのに、他のことに気を取られてばかりだ。ところで、バタイユはやっぱり良いね。 「19世紀に、人間の知性が高度に研ぎすまされ、自分を世界の中心であり極致であると見ることができなくなった…

自衛隊監視テント村が弾圧を受けた

下記サイトによれば3名の事後逮捕があったということです。大衆が、行った者はしかたない元気に帰ってきて欲しいという「しかたない」意識に傾いているので舐められた、ということでしょう。2月27日早朝、私たち立川自衛隊監視テント村は「イラク反戦」を理…

はてなダイアリーに圧力

http://d.hatena.ne.jp/yasulog/20040207 で見て面白いと思ったので貼っておきます。 ○はてなダイアリーに圧力? http://slashdot.jp/articles/04/02/02/095240.shtml?topic=19 ニュースソース:こせきの日記 2004-02-01 http://d.hatena.ne.jp/koseki/20040…

王は外来者だ

1915年生まれ2002年亡くなった宋斗会氏の『満州国遺民』isbn4-8331-0522-5 を買った。p21から引用する。 紀元前1世紀ごろ、扶余(プヨ)が朝鮮北部から中国に高句麗を建設する。後に3世紀朝鮮南部に百済が建国される。彼らは自ら扶余の分かれと称していた…

網野善彦氏が亡くなられた。

「日本は日本である」といった同一性の神話に対して闘い続けた偉大な先達である、網野氏は、私にとって。哀悼の意を表したい。 といっても不勉強なわたしは彼の本をよく読んでいるわけでもありません。『日本中世の民衆像』という岩波新書が出てきた。冒頭で…

「近代の超克」

「近代の超克」とは、昭和17年7月(日米開戦の半年後)に文学者・哲学者などで行われた座談会である。それに先立ち、S16.11.26(日米開戦の直前)、いわゆる京都学派の4人の学者*1が集まって「知的な饒舌をもってしゃべりまくった」のが、「世界史的立場…

戦後日本のゆがみなど

http://d.hatena.ne.jp/indow/20040224 で、犬童知遠さんが応答してくれた。 注疏書というスタイルが江戸時代には普遍的だった。例えば儒学ではない国学の 『古事記伝』などもそういうスタイルで書かれたのだ、とのこと。なるほど。戦後の学問も内容的には、…

健常者の喜び

去年8月に踵に小さな魚の目ができた。魚の目って今まで体験してなかったので我慢していたら、大きくなりいつまで経っても痛む。体重が掛かるから歩くときけっこう痛む。市販の薬を貼ってみたりしたが直らない。仕方ないので医者に行った。3回行ったがまだ…

若年世代の超長時間労働

わたしたちのすぐ身近に有るのに、見て見ない振りをされたり問題として認識されない、マスコミに取り上げられることなど全くない問題、ってけっこうたくさんあるものですね。今日hatenaでみつけた「問題」。労働問題についてはそれ専門で研究し声をあげるべ…

私の自主講座運動

久しぶりにホームページを更新しようとしたら、ftpから入れない。焦った! インフォシークのページに行くと、2月20日(金)16:00〜2月26日(木)14:00 FTPによるファイルの更新などができない、と書いてある。その後は使えるのだろうか。不安だがこのまま行…

原則(松下昇の)

今後の討論〜実践活動において踏まえておくぺき原則として… 自分が自明であると考えている発想を、いったん全て疑いなおしてみる。全社会・全文明の現状を最も抑圧された位置から、最大限に自由な視点で把握しなおしてみる。各人にとってこの作業がどのよう…

来たるべき松下昇

同一性の論理に抗して

デリダ『マルクスと息子たち』という本は、デリダ『マルクスの亡霊たち』(未訳)という本への批判への応答である。言い訳であり、繰り返し丁寧に書いている。あの大デリダにしてなお、これだけ完璧に誤解されるのかという感想をもってしまう。 例えば、「デ…

松下昇

松下昇の“優先所有権”を求めることほど松下の精神からほど遠いものはない。*1 あらゆる「所有権」を超然と度外視するのではないにせよ、それについて考えてみるためには、同志よ、もう一歩が必要だ。*2「例えば、白い紙(ないしパソコンなど)を前にして何か…

代理母の場合

わたしたちの世界は所有権を不可侵のものとしているがこれはおかしい。例えば、世界的な美術品などを私有して破壊してしまうといった行為が許されないのは当然だ。同様に人間を私有することも許されない。しかし、現在日本でも過労死などはよく起こっている…

普天の下、王土に非ざるなく、

『漢文入門』*1から引用します。 温という国の人が周に行った。周は客(他国人)をいれない。「之に問うて曰く、『客か』と。対(こた)えて曰く、『主人(そこの土地の人)なり』と。その巷(町名)を問へども知らざるなり。吏因(よ)りて之を囚(とら)ふ…

消えゆく他者

例えば http://www5.justnet.ne.jp/~takataka2001/linkp03.htm によれば、私が何か発言するとき、「私は常に他者によって呼びかけられているのです。」とデリダは、考えたらしい。 「私の責任は、私の措定以前に、(略)他者の呼びかけへの責任=応答可能性…

「きみたちの国だ」について

私の文章は読者に何かを訴えるだけのものですから、そしてわたしがわたしに何か訴えてもしかたないのですから、「わたしたち」から「わたし」を引いた「きみたち」に対して訴えてもなんら意味は変わらない、とも言える。 「国民の一人」として発言するという…

酒井啓子

下記に酒井啓子氏の文章があった。 http://www.be.asahi.com/20040110/W12/0022.html カイロにあるアメリカン大学に勤務していた普通の女性が、アメリカがイスラエルの不正に荷担し続けたため、アメリカという看板を背負ってしまったただそれだけのために、…

ケチは地球を救う

「人間の欲望の絶対量はたかが知れており、そう持っていたいとは思わないのだが、生産・所得と人間の価値とがつなげられていることによって、持つことの意味が肥大していくし、人はそれに下属することになる。」*1 その通りだと思う。例えばステーキ食べるに…

停電する自由

昨日夜中パソコンしてると突然パソコンが切れた。停電である。だが街路や回りの家の電気はついている。ウチだけヒューズが飛んだのだ。(なぜか理由をさぐらないといけないがここではしない。*1)12時過ぎだったからしばらく暗闇でうろうろしてから蒲団に…

「再入国禁止法案」反対

勉強不足なんですけど、 http://www.sukuukai.jp/houkoku/log/200401/20040121.htm 例えば上記「救う会ニュース」には、3つの法案が連記されていた。 1)外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案要綱 2)我が国の平和及び安全の維持等のための入港…

我有子無

我有子無、何故不受(われ有り子(し、“あなた”の尊称)無し、何の故に受けざる。)またまた『漢文入門』p37から。 子思*1が困窮していて、20日間に9回しか食べることができないほどだった。田子方というひとがこれを聞き、狐の皮ごろもを与えようとした…

権益圏の思想

サイードの『オリエンタリズム』を読んで気づくことは、戦前の日本のイデオローグの中国蔑視言説がいかに恥ずかしいものか、ということである。*1 ヨーロッパはオリエントとの長い関わりの中、軍事的経済的勝利を思想的にも展開しオリエンタリズムとなった。…

旧左翼のどこが駄目なのか

http://d.hatena.ne.jp/noharra/20031210 に書いた沢田さんから返事が1週間ほど前に来たので、それへの返信を書いていた、一日中。しんどかった・・・ 書くことがないので無理して書いてみよう。昨日広河隆一さんの講演を聴いたのでその感想を。彼の発言は…