松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

王は外来者だ

1915年生まれ2002年亡くなった宋斗会氏の『満州国遺民』isbn4-8331-0522-5 を買った。p21から引用する。

紀元前1世紀ごろ、扶余(プヨ)が朝鮮北部から中国に高句麗を建設する。後に3世紀朝鮮南部に百済が建国される。彼らは自ら扶余の分かれと称していたらしい。
「ただ、一般的には、ある地域にもともと住んでいたものたちの中からは王はでない。これは決定的とはいえないけれど、一般的にはいえる。
日本でもそうだ。神話に出てくる王というのは、縄文人の末ではないのだから。縄文人は歴史のはるか彼方のほうにかすんでしまって、歴史に登場するのは、外来者だ。朝鮮半島でも同じことだ。」

現在朝鮮人と呼ばれている人間の数は世界中で6千万を超すらしい。ただ周辺部になるとぼけてしまって境界がはっきりしない。宋斗会とは誰か。在日朝鮮人だ、という答えは間違ってはいないとされる。が彼はあえてそれを拒否し、満州国遺民を名のった。彼についてはまた書きたい。