松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

『私たちは現日本政府の体制変革(レジームチェンジ)に反対します』

「私たちは現日本政府による全面的憲法改定に反対します」


現在、日本の政府与党は「戦後レジームからの脱却」というスローガンのもとで憲法改定をめざしています。その最大のねらいは、日本国憲法によっていましめられている国家権力をそのたがから外すことです。


この「レジームチェンジ(体制変革)」の意図は、政権政党である自民党改憲草案(2005年10月28日発表)に目立たないように盛り込まれています。


第一に、そこには、「公益」による基本的人権と市民的自由の留保、平和主義の縮小あるいは実質的停止、政教分離原則の緩和あるいは実質的廃止などが示されています。これは、「国民主権」・「平和主義」・「基本的人権の尊重」という三大原則をかかげる日本国憲法の根幹に反民主主義的な改変を加えるものです。


第二に、硬性憲法である現憲法の改定に関して定められた条文「第九十六条」が、主権者である国民の意思を正当かつ公平にはかる手続きなしで、国政の側からの憲法改定の発議と採決のみによって憲法の改定ができるよう変えられています。この条文の改定が行われれば、日本国憲法硬性憲法の性格を実質的に失い、主権者である国民の意思と無関係に、政権側の都合でいつでもどのようにでも憲法を、その根幹すら変えることができるようになります。


この二つの点から、「戦後レジームからの脱却」をかかげるこの改憲は、単なる条文の部分的修正にとどまらず、憲法そのものの全面的改定、すなわち、日本の政体の非民主的変更を宣言するものだと考えることができます。今回、現政府与党の思惑通りの改憲がなされれば、日本国憲法はその民主主義の理念と立憲的性質を弱められ、まったく違うものに変えられてしまうでしょう。

公務員の憲法尊重・擁護義務違反

および「憲法違反さえ疑われる、すでに実施された、あるいは立案・計画されている数々の政策。」

実際に、現在の日本の政府与党の多数を占める自民党の政治行動には、民主主義的観点から、多くの危険な具体的兆候がうかがえます。特に1990年代以降、自民党は国権の発動を容易にし、基本的人権に制約を加え、軍事を優先するという国家主義的な政策を段階的に推しすすめています。現政府与党幹部、特に自民党執行部は「戦後レジームからの脱却」をかかげ、自らの改憲草案(2005年10月28日発表)に沿って、国の最高法規である現行憲法をないがしろにし、「第九十九条」に定められた国務大臣、国会議員、裁判官などの公務員の憲法尊重・擁護義務などあってなきもののごとく振る舞っています。この自民党の議員たちによる、「時代に合わない」という現行憲法への抽象的で一方的な非難、人権はエゴイズムを肥大させて社会の秩序と規範に悪影響を及ぼすものだとして執拗に繰り返される言説、自らに都合のいいようになされる強引な憲法解釈。そして、憲法の原理を逸脱し、憲法違反さえ疑われる、すでに実施された、あるいは立案・計画されている数々の政策。これらを日々目の当たりにして、私たちは十分にリアリティのある危惧を抱いています。

立憲主義の否定

つまり、現政府与党のもくろむ改憲とは、「主権者である国民が国家に命令する」立憲主義を否定し、「国家が一方的に国民に命令する」ことを可能にするための全面的改憲であると言うことができます。

(略)

正義より国益という憲法

国際緊張の緩和に反する。

今や、「経済大国」として国際社会に大きな影響力を持つ日本によるみずからの民主主義の明示的で意図的な縮小あるいは否定は、世界平和にとって大きな脅威となることでしょう。1930年代に世界を悲劇に導いたファシズムの横暴を21世紀の日本で繰り返してはならない。(略)

以上、引用はすべて下記より。
http://kokumintouhyou.blog98.fc2.com/blog-entry-27.html
私たちは現日本政府の体制変革(レジームチェンジ)に反対します | 共同声明 『私たちは現日本政府の体制変革(レジームチェンジ)に反対します』