松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

刑務所の中

id:noharra:20060129#p2 に花輪和一の名作漫画から次のように引用しているのだが、文章が中途半端に途切れている。これはミスですね。*1

刑務所の中
皆出る日のことばかり 毎日何年も考えて
いざ その日が近づいてみるといろいろ不安がな
p120『刑務所の中isbn:4883790657

久しぶりにこの文章を読んで、勝ち組(笑)である60歳定年を迎えようとしているサラリーマンにもずばりこの文章が当てはまるな、と思った。それで引用してみた。


安定した生活は例えば子育ての為に是非とも必要なものです。しかしそれは一方で私たちの精神に目に見えない〈拘束〉を私たちが意識しているよりずっと大きく掛けてくるもので、おそらくはあるのでしょう。仕事という拘束からの自由。仮りに彼がその日を待つだけのために人生を空費していたとするなら、その日自由を受け入れる度量は彼女/彼には残っていないでしょう。

*1:花輪氏の怪作「刑務所の前・1」は持っているがこれは持っていないので訂正できない。