松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

二つの円

語学の時間へ、私はクラス討論の場として外接し、かれらは体制内の睡眠の場を求めて内接していた。
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 授業という権力関係は一定の時間と空間を要請している。耐えがたいノイズに満ちた〈 〉を噛み砕き均質な時間に変換する力能と従順さの身体が20世紀的サラリーマンだった。自己の宿命をその場では受入れ怠惰な身振りでそれをやり過ごそうとする者たち、クラス(学級)という奇妙な所与を政治的討論の場として利用しようとする学生運動家たち。ふたつの円がその存在の根拠において大きく重なっているという直観が松下たちの出発点だった。