松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

田村泰次郎の戦争ものは面白い。

昨日ブックオフのようなところで、田村泰次郎の本を買った。*1100円、安い!!
肉体の悪魔
裸女のいる隊列

失われた男
沖縄に死す
の5短編を読んだが、いずれも面白い。後3短編ある。
特に 裸女のいる隊列 /蝗 /失われた男 は傑作だと思う。
いずれも中国山西省で従軍した戦争体験を背景にした作品だが、作品ごとに視点や構成など変えていて興味深い。
「失われた男」は 強姦常習犯の兵士の実存のあり方に迫っているので、小林よしのり愛読者の方などにもお勧めである。
「蝗」は従軍慰安婦テーマ。

戦争をめぐる名作を精選と書いてあるこの本も同じようなセレクトかな。肉体の悪魔・失われた男 (講談社文芸文庫)

*1:正確には、講談社日本現代文学全集94 s43年 「北原武夫・井上友一郎・田村泰次郎集」