松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

〈わたしの固有の表現〉

〈表現のむこうへ〉
 斗争の期間に、自己の固有の表現を、ビラや落書きや…… によって提起し、その意味を最後までになおうとする者いがいを信じるな。自分の斗争スローガンを発見するまで、きみは斗争していない。
 一九六九年九月一六日  松下昇


 わたしの固有の表現をわたしはいまだ発見していない。わたしの固有の表現を求めるのは愚かなことだろうか? 表現とはテキストを生み出すことであり、テキストとは引用の織物である。というポストモダン的定義を私は受け入れてきた。 自己表現というつつましやかな夢をあざ笑うことは、生きることは国家という意味であるという主張すらまねきよせてしまう。わたしたちは敗北*1を受け入れよう。私たちは神なしで生きることができないと認めよう。
〈わたしの固有の表現〉を私は求め続ける。

*1:君たちの意味する敗北とは180度異なった物だが