松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

拉孟の慰安婦たち

上に掲げたのは、拉孟近郊の松山陣地で中国第8軍の兵士によって捕虜にされた4人の女性、の写真。有名な写真である。
これを含む何枚かの写真についての詳細な分析は、
浅野豊美さんの『雲南ビルマ最前線における慰安婦たちー死者は語る』(PDFのリンク)という論文にあります。
www.awf.or.jp/pdf/0062_p061_088.pdf
(kmiuraさんが薦めていたので読んでみたがとても面白かった。)


ところで、美爾依さん紹介の
Comfort Women―The Asian Sex Slaves of World War II
http://www.apublicbetrayed.com/case_studies/case_study5.htm というサイトでも冒頭にこの写真があったので、いわゆる慰安婦と言えばこれといった定番写真であることが分かりました。


浅野論文で、海老蔵氏との間で話題にしたミッチナ報告のミッチナとは英語読みミートキーナであることを知り、そう言えばミートキーナって聞いたことがあるな、と押し入れを探すと古山高麗雄の『フーコン戦記』isbn:4167291037 というのがでてきました。文春文庫の古山高麗雄戦争文学三部作というのが4年ほど前に出たので買ったのでした。一冊半ほど読んで放置してありました。ミートキーナという地名は彼の本でよく出てきたのでした。
で『フーコン戦記』をたらたら読んでいると、なんとp84にこの写真が載っている本を見たという描写があった。月刊沖縄社の「太平洋戦争写真史」の「フーコン・雲南」の巻に載っていたそうだ。

表紙に使っている写真の慰安婦は、どこの慰安婦なのかわからないが、疲れ果て、顔をしかめている女が四人いて、その横で、銃を立て、腰を落とした中国兵が、にこやかに笑っている。女の一人は妊娠しているようで腹が大きい。(古山高麗雄

とある。*1

*1:だからどうしたということはない。