松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

視聴してみました

参議院インターネット審議中継、1時間4分から19分過ぎまで。途中、2分近く、安倍首相の暴言を受けて議事が止まり、音声は流れない)、
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/library/result_consider.php
参議院インターネット審議中継 −ビデオライブラリ 会議検索−

安倍氏は「事実誤認」という言葉を繰り返すが、何がそれなのか言っているのか?(3/7追記)

安倍首相は証言者と直接対峙せよ!

「米下院聴聞会で行われた証言のうち、いかなるものも確固たる証拠を提示していない。」と安倍首相は語っている。3/5

安倍首相「慰安婦決議案採択されても謝罪しない」

安倍晋三日本首相は5日、慰安婦強制動員に対する日本の謝罪を要求する米下院外交委員会の決議案が採択されても謝罪しない、と述べた。安倍首相はこの日の参院予算委員会で、米下院の慰安婦決議案に関する野党議員の質問を受け、このように明らかにした。「米下院外交委員会の決議案は客観的事実に基づいていない。 決議があっても謝罪することはない」と語ったのだ。

続いて安倍首相は「米下院聴聞会で行われた証言のうち、いかなるものも確固たる証拠を提示していない」と主張した。また「官憲が家に乗り込んで人さらいのように連れて行くような強制性はなかったが、業者が事実上強制したことを広義に解釈し、強制性があったということ」と説明した。

これに先立ち安倍首相は1日、「日本軍が慰安婦強制動員に介入した根拠はない」と述べ、韓国や中国、米国などの反発を招いた。 そして4日後の国会で同じ趣旨の発言を公式的に明らかにした。

AP通信はこの日、「歴史学者は韓国と中国を中心に約20万人の女性が1930−40年代に従軍慰安婦として連行されたと見ており、こうした事実は証人と被害者はもちろん、過去の日本軍兵士からも立証されている」と報じた。

日本国内でも批判が相次いでいる。 小沢一郎民主党代表は「安倍首相自身の歴史に対する認識が問われている」と述べた。小沢代表は「『とにかくこうだ』というような発言は外国だけでなく国内的にも不信感を招きかねない。もう少し自分の理念をはっきりと示したうえで、結論を言わないといけない」と指摘した。

外務省の関係者も朝日新聞とのインタビューで「首相の今回の発言でアジアと米国を敵に回す可能性もあるだけに、政府はこの問題を外交的に静かに解決しなければならない」と語った。

これに関連し、共同通信は「日本政府と自民党内でこの機会に‘河野談話’を見直すべきだという声も出てきている」とし「したがって今回の首相発言について釈明するかどうかという問題をめぐり、閣僚会議で激論があった」と伝えた。

しかし日本政府は‘河野談話を継承する’という基本姿勢には変化がないと改めて強調した。塩崎恭久日本官房長官は5日、「首相の発言に‘河野談話’の見直しを示唆する部分は全くない。(総理に対する批判は)総理の発言に対する適切な解釈のもとで行われるべき」と述べた。世耕弘成首相補佐官朝日テレビに出演し「‘河野談話’を引き継ぐという首相の立場に変わりはない」と強調した。

東京=イェ栄俊(イェ・ヨンジュン)特派員
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=85178&servcode=200§code=200
Japanese JoongAngIlbo
2007.03.05 18:55:46

 証言は証拠ではないというのが安倍首相の言語感覚のようです。しかし、議会での証言はその場で証言の真実性に反証を突きつける機会に開かれているものであり、裁判所でのそれと同様、事実や真実を確定するプロセスとして、高い権威を持つ。という常識が安倍氏には欠けている。
彼のこの発言は三人の証言者だけでなく、米国議会の権威に対する挑発にもなってしまっている。

 安倍氏が何か言いたいのなら、証言者を国会に召喚*1しその上で反対証人を登場させ先の証言者の証言の信頼性を無化するという方法をとるべきである。自閉的言説空間で何かごちゃごちゃ言ってしまうことは、国益にとって有害である。

*1:召還と誤記していました、失礼。

安倍首相は客観的事実を明らかにせよ。

首相、「謝罪の必要なし」 慰安婦問題、米下院で決議されても

 安倍晋三首相は5日午前の参院予算委員会で、米下院に提出された慰安婦問題をめぐる対日非難決議案について、「決議案は客観的事実に基づいていない。決議があっても謝罪することはない」と述べ、決議案に強い不快感を示した。

 また、首相は、慰安婦問題を謝罪した平成5年の「河野洋平官房長官談話」について「基本的に継承していく」と明言。その上で「官憲が家に乗り込んで人さらいのように連れて行くような強制性はなかった」と述べ、狭義の強制性を重ねて否定。米下院の公聴会で証言した元慰安婦の証言についても「裏付けのある証言はない」と述べた。

 民主党小川敏夫参院幹事長への答弁。小川氏が「きちんと謝罪しないと、日本が戦争に対する反省をしていないと受け取られる」と主張したのに対し、首相は「戦後60年の日本の歩みは高く評価されてきた。小川氏は日本の歩みを貶(おとし)めようとしている」と強く反発。「小川氏は決議案が正しいと思っているのか」と切り返す場面もあった。
(2007/03/05 11:39)
http://www.sankei.co.jp/seiji/shusho/070305/shs070305001.htm
首相、「謝罪の必要なし」 慰安婦問題、米下院で決議されても|首相|政治|Sankei WEB

サンケイでは少し文言が違う。
「元慰安婦の証言についても「裏付けのある証言はない」と述べた。」とはどういうことだろうか。わざわざ証言しているのにさらにその裏付け証人を用意しろという意味か。覆す証人を用意しなければならない立場に追い込まれているのは自分の方だということを理解していない。

狭義と広義の区別

 小川敏夫氏(民主)への答弁。首相は慰安婦問題での「強制性」を広義と狭義に仕分けし、河野談話と自分の考えとの整合性を取ろうとしている。この日の答弁では、狭義の強制性を「官憲が家に押し入って、人さらいのごとく連れて行く」行為と定義し、「慰安婦狩りのような官憲による強制連行的なものがあったと証明する証言はない」と繰り返した。

 河野談話は、慰安所の設置や慰安婦の移送に軍が直接、間接に関与したことを認め、慰安婦の募集は「軍の要請を受けた業者が主として当たった」としている。首相はこれを広義の強制性ととらえ、答弁でも「進んでそういう道(従軍慰安婦)に進もうと思った方はおそらくおられなかったと思う。間に入った業者が事実上強制していたケースもあった。広義の強制性はあった」と述べた。【谷川貴史】
http://www.excite.co.jp/News/politics/20070305121800/20070305E10.063.html
参院予算委>「強制性裏付けない」 河野談話で首相 | エキサイトニュース

 三つ目の記事です。
広義の強制性はあったが、狭義の強制性はなかったが安倍氏の主張。「狭義の強制性はなかった。」という言説の動機はナルシズムか。政治的効果はどうなのか。せっかくの河野談話の効果を台無しにする効果ではないのか。

当初定義されていた強制性を裏付ける証拠がなかったのは事実だ。3/1

参考資料です。

従軍慰安婦「強制の証拠ない」=河野談話の見直し否定せず−安倍首相

3月1日23時2分配信 時事通信

 安倍晋三首相は1日夜、従軍慰安婦問題を謝罪した1993年の河野洋平官房長官談話について「当初定義されていた強制性を裏付ける証拠がなかったのは事実だ」と述べ、旧日本軍が従軍慰安婦を強制的に集めて管理した証拠はないとの認識を示した。また、談話見直しの必要性に関しては「定義が大きく変わったことを前提に考えなければならない」と語り、否定しなかった。首相官邸で記者団の質問に答えた。
 ただ、この発言について首相周辺は「国会で答弁した通りのことを言っただけで、これまでの政府方針と何も変わっていない」と指摘、同談話の見直しを表明したものではないと強調。塩崎恭久官房長官も同日の記者会見で「談話を受け継いでいくのが政府の立場だ」と語った。 
最終更新:3月1日23時2分
時事通信

埼玉県知事は慰安婦と会話した。

http://d.hatena.ne.jp/youarai/20070305/p1さんによると

上田清司知事が昨年6月の県議会で「慰安婦はいたが、従軍慰安婦はいなかった」と発言したことについて、上田知事に面会を求めていた韓国人女性のイ・ヨンスさん(78)が1日、県庁で知事と面談した。

韓国テグ市出身のイさんは16歳で日本兵に強制連行され、台湾で慰安婦としての生活を強いられたという。面談は双方の通訳2人を介し、非公開で約20分間行われた。
(略)
毎日新聞 2007年3月2日
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/saitama/news/20070302ddlk11040304000c.html
上田知事の従軍慰安婦発言:元慰安婦、知事と面談 /埼玉:MSN毎日インタラクティブ

 という面会はなされたようだ。

上田清司知事の主張は下記。

「軍が女性を徴用したという証拠は見つかっておらず、従軍という言葉は望ましくない」と従来の主張を繰り返した。

安倍首相の主張は下記。

「当初定義されていた強制性を裏付ける証拠がなかったのは事実だ」

刑事裁判ではないから「証拠がなかった」かどうかが論点ではない。

ここで屈してはいけない!という意見。

行動で示し、強気に全力で阻止すべきだ。引いたら負けだ。ここで屈するようでは日本の尊厳はさらに失墜し、利益ももたらさない
また、従軍慰安婦というケースを作り、特殊ケースにしようとしているようにも見える。当時の日本は極悪で人ではないとでも言いたいかのようである。さらに今の政府も非人道的であるとでも言いたいかのようだ。自分たちの行為は棚に上げ、日本だけ特殊強調することは許されることではない。さらにそれを今の日本に半永久的に求めることなど許されるはずがないのだ
ここで引くと私たちだけでなく未来の国民にも悪影響を及ぼす。多少強行的でいいから強気に動いてもらいたい
麻生タソよろしく
http://blog.livedoor.jp/glory_no1/archives/52458029.html
端から見た風景:従軍慰安婦 - livedoor Blog(ブログ)2007年02月20日

「端から見た風景」さんのブログ。
「無知の若者ですが、生暖かく見守ってください」と書いてある。そのわりには激しく怒っているみたいだ。
ただ感情的な文章であり、論点をきちんと積み重ねているとは言えない。
上記安倍首相の「進んでそういう道(従軍慰安婦)に進もうと思った方はおそらくおられなかったと思う。間に入った業者が事実上強制していたケースもあった。広義の強制性はあった」は、端から見た風景さんは肯定するのだろうか?それとも弱腰発言として否定するのか?

「端から見た風景」さんはジャン・ラフ・オヘルンさん(84歳)さんの証言(翻訳)をおそらく読んでおられない。(たぶん安倍首相も?)
http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2007/02/for_the_record_c3ca.html
机の上の空 大沼安史の個人新聞: 〔For the Record〕 「日本人を許す、しかし決して忘れない」「安部首相は公式謝罪を」 オランダ人「従軍慰安婦」、米下院公聴会で証言
大沼安史氏のブログから彼の翻訳で引用させていただく。

 わたしが駐屯地刑務所で拘束されて2年が経った1944年のことです。日本軍の高官たちが駐屯地にやって来ました。そしてこう命令しました。17歳以上のすべての独身女性は、駐屯地内に整列しろ、というのです。将校たちはわたしたちに向かって歩いて来ました。選別作業が始まったのです。彼らはわたしたちの列を行ったり来たりしながら、上から下までじろじろ見ました。わたしたちのからだや脚を見たり、指でわたしたちのあごを引き上げたりしました。そして10人を選び出したのです。
http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2007/02/for_the_record_c3ca.html

 これは収容所から兵隊が直接連れて行ったケースである。安倍首相の言う「官憲が家に押し入って、人さらいのごとく連れて行く」ケースとは、おそらく日常生活をしている場所から官憲(兵士を含む)が直接強制的に連行するといったケースのことであろう。であればこの場合は、そのケースに該当していると思うが如何だろう?
それとも「端から見た風景」さんは、ジャン・ラフ・オヘルンさんさんが嘘をついているに違いないと思われますか?

安倍首相は、河野談話の「慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、」の部分を承認していると思われる。
そうであればオルヘンさんに対してはやはり謝罪の意志を持っているということでよいのではないか。
「端から見た風景」さんは、オヘルン(オハーン)さんの「日本政府はまだ私に謝罪していない。」という発言が気に入らないみたいだ。で「端から見た風景」さんは河野談話における謝罪は支持されるのでしょうか? そこが不明です。

以上2点の質問に答えていただければ幸いです。

狭義の強制云々言っても説得力がない。

参議院予算委員会で安倍首相の慰安婦問題に関する発言が取り上げられ(参議院インターネット審議中継、1時間4分から19分過ぎまで。途中、2分近く、安倍首相の暴言を受けて議事が止まり、音声は流れない)、安倍首相はマイク・ホンダ下院議員らが提案している決議案(H. RES. 121)を「事実誤認がある」「日本政府のこれまでの対応を踏まえていない」と批判したのだが、意図するところがよく分からない。

安倍首相は、慰安婦狩りはなかったという主張をもとに、狭義の強制はなかった、だからこの決議案はおかしい、と言いたいようだ。お気に召さないのは決議案に2回出てくる「帝国軍が若い女性に性的な奴隷状態を強制した」という表現だろうか。別に「慰安婦狩り」がなくても、例えば慰安所の警備を兵隊がやっていて慰安婦たちが逃げるのを阻んでおれば「奴隷状態の強制」は十分成立するだろうから、狭義の強制云々というのは反論になっていないと思う。
(後略)
http://eunheui.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/post_13f8.html
壊れる前に…: 安倍首相と慰安婦問題

安倍首相の批判はやはりその趣旨がよく分からない、という意見。そのとおり!

海外で馬鹿を晒すネット右翼

村野瀬玲奈の秘書課広報室 というところからリンクいただいた。
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-110.html
「証拠がない」と言いつのる人の多さが証拠を無くすわけではありません。(従軍慰安婦の徴用の強制性を否定する安倍首相の発言についての私の立場) (03/07)

「カナダde日本語」さんの2007年3月3日のエントリーで知った、BBCが報じる、「安倍首相が従軍慰安婦は強制ではなかったと言った」ニュースと、その読者コメント欄を見ました。
(略)
ですから、BBCの記事の読者コメント欄についた多数の日本人の「歴史見直し主義者(revisionnist)」のコメントを深い嘆きの気持ちをもって読みました。判で押したように「証拠はない」、「慰安婦の証言は証拠ではない」という書き込みのオンパレード。英文としてかなりひどいコメントはその書き主の教養のなさをさらけ出しているだけですが、英文として比較的正しく綴られた「強制性否定」のコメントは、それを読んだ外国人に、「日本では従軍慰安婦への強制性を否定する教育をしている、日本は歴史に誠実に向かい合っていない」と思わせるに十分ではないでしょうか。

ここで上記のような事実を知った。日本のネット右翼が、海外のニュースのコメント欄に「なかった」発言を繰り返し投稿しているらしい。
apemanさんたちが危惧しているのと同じことがまた起こってしまった。海外でも闘えるレベルの議論にまったくなっていない場合(おそらく安倍発言と同レベルだからそうでしかありえないだろうが)、日本の恥をさらすことになっているわけだ。
(3/7追記)