松下昇への接近

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安倍首相は証言者と直接対峙せよ!

「米下院聴聞会で行われた証言のうち、いかなるものも確固たる証拠を提示していない。」と安倍首相は語っている。3/5

安倍首相「慰安婦決議案採択されても謝罪しない」

安倍晋三日本首相は5日、慰安婦強制動員に対する日本の謝罪を要求する米下院外交委員会の決議案が採択されても謝罪しない、と述べた。安倍首相はこの日の参院予算委員会で、米下院の慰安婦決議案に関する野党議員の質問を受け、このように明らかにした。「米下院外交委員会の決議案は客観的事実に基づいていない。 決議があっても謝罪することはない」と語ったのだ。

続いて安倍首相は「米下院聴聞会で行われた証言のうち、いかなるものも確固たる証拠を提示していない」と主張した。また「官憲が家に乗り込んで人さらいのように連れて行くような強制性はなかったが、業者が事実上強制したことを広義に解釈し、強制性があったということ」と説明した。

これに先立ち安倍首相は1日、「日本軍が慰安婦強制動員に介入した根拠はない」と述べ、韓国や中国、米国などの反発を招いた。 そして4日後の国会で同じ趣旨の発言を公式的に明らかにした。

AP通信はこの日、「歴史学者は韓国と中国を中心に約20万人の女性が1930−40年代に従軍慰安婦として連行されたと見ており、こうした事実は証人と被害者はもちろん、過去の日本軍兵士からも立証されている」と報じた。

日本国内でも批判が相次いでいる。 小沢一郎民主党代表は「安倍首相自身の歴史に対する認識が問われている」と述べた。小沢代表は「『とにかくこうだ』というような発言は外国だけでなく国内的にも不信感を招きかねない。もう少し自分の理念をはっきりと示したうえで、結論を言わないといけない」と指摘した。

外務省の関係者も朝日新聞とのインタビューで「首相の今回の発言でアジアと米国を敵に回す可能性もあるだけに、政府はこの問題を外交的に静かに解決しなければならない」と語った。

これに関連し、共同通信は「日本政府と自民党内でこの機会に‘河野談話’を見直すべきだという声も出てきている」とし「したがって今回の首相発言について釈明するかどうかという問題をめぐり、閣僚会議で激論があった」と伝えた。

しかし日本政府は‘河野談話を継承する’という基本姿勢には変化がないと改めて強調した。塩崎恭久日本官房長官は5日、「首相の発言に‘河野談話’の見直しを示唆する部分は全くない。(総理に対する批判は)総理の発言に対する適切な解釈のもとで行われるべき」と述べた。世耕弘成首相補佐官朝日テレビに出演し「‘河野談話’を引き継ぐという首相の立場に変わりはない」と強調した。

東京=イェ栄俊(イェ・ヨンジュン)特派員
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=85178&servcode=200§code=200
Japanese JoongAngIlbo
2007.03.05 18:55:46

 証言は証拠ではないというのが安倍首相の言語感覚のようです。しかし、議会での証言はその場で証言の真実性に反証を突きつける機会に開かれているものであり、裁判所でのそれと同様、事実や真実を確定するプロセスとして、高い権威を持つ。という常識が安倍氏には欠けている。
彼のこの発言は三人の証言者だけでなく、米国議会の権威に対する挑発にもなってしまっている。

 安倍氏が何か言いたいのなら、証言者を国会に召喚*1しその上で反対証人を登場させ先の証言者の証言の信頼性を無化するという方法をとるべきである。自閉的言説空間で何かごちゃごちゃ言ってしまうことは、国益にとって有害である。

*1:召還と誤記していました、失礼。