松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

学力テストを実施する役目は終わったと思う。(2)

http://d.hatena.ne.jp/noharra/20080918#p1
http://d.hatena.ne.jp/noharra/20080927#p3 の続き
1。
全国学力調査の目的は、「国の責務として果たすべき義務教育の機会均等や一定以上の教育水準が確保されているかを把握し、教育の成果と課題などの結果を検証する」(「全国的な学力調査の具体的な実施方法等について(報告)」)ことにある。ある学校の学力が低いとか高いとかいうことを計るためにやっているわけではない。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/gakuryoku-chousa/index.htm
文科省(こちら)にたくさん報告書がある。こうした調査をするためであれば、全国すべての児童に強制するのは無意味である。予算の無駄使いである。

 義務教育で全国的に習得すべき必須の内容を決めて、それをできるだけ平等に学ばせるという点では文部科学省が責任を担っています。ですからどこがどう足りていないのかを知る手がかりとして、全国共通の問題でそれを見るということ自体に特段の問題があるとは思いません。
http://d.hatena.ne.jp/uumin3/20080927#p1

 そのためには全国すべての児童を対象にしたテストを行う必要はないですね?

2。
9/18 弯曲していく日常 - 全国学力テストの信頼性
9/27 弯曲していく日常 - 学力テストを実施する役目は終わったと思う。
のふたつのTBをid:uumin3さんに送った。
そのうち、9/18日の分に付いて応答がない。
要約すると、1位 秋田県 77.2点 2位 福井県 77.1点 云々という「結果」というものを、学力を評価しえたものであると素直に考えておられるようだがそれは違う。その数値=学力×「いちびり係数」と考えるべきである。なんでも大阪府が最低だったとかいう話らしいが、それが大阪の生徒の学力が低いということなのだろうか?それは間違いだとわたしは思う。単に大阪の生徒は、「いちびり」だっただけである。
という趣旨。

3。人間は愚かなもので、例えば「1位 秋田県 77.2点 2位 福井県 77.1点 云々」といった数字を鼻先に突きつけられるとどうしても反射的に反応してしまいます。その数字に本当に意味があるのかどうかという難しい問はパスして、とりあえず良い結果を出したいと焦る気持ちに急き立てられます。
uumin3さんも橋下とかいうひとと同じようにこうした症候群にかかっているようです。

 その結果をどう捉えどう活かすかを各学校に問う「学校へのテスト」、というのでまず思いつく(はず)なのが、それぞれの生徒における「知識」と「活用」の不足を把握してそれを補う工夫です。単純にどこそこの方面で弱い生徒が多いと判断されれば、クラスもしくは学年単位でそれを補う努力を考えるとか、その方向で十分な学校に教えを請うて良い方法があったら導入するとか…

 これが「全く分からない」となりますと、もはや何をどう説明したらいいか考え込んでしまいますね。
http://d.hatena.ne.jp/uumin3/20080927#p1

 なるほど「単純にどこそこの方面で弱い生徒が多いと判断されれば、クラスもしくは学年単位でそれを補う努力を考える」ということですね。しかし、これが有効であるためには条件があります。ある学校において今この箇所に努力を払うべきであるという問題点を学校が自分では把握しておらず、逆にこのテストが教えてくれるという条件です。これが正しいことをあなたは証明できないはずです。しかもそうしたことを知るために設計されたテストではないのですよ。

4。

 私は学力テストの結果を公表してもよいと思います。これに反対する向きの御主張は、やはり「序列化」が気になるとか、このテストの結果だけに拘ったものになって教育が歪むとか、そうした方向だと見受けられますが、何もこの一つのテストだけでリニアに教育の序列がつけられるはずは無いんです。
http://d.hatena.ne.jp/uumin3/20080911#p1

結果=リニアに教育の序列がつけられる であることは 橋下の反応からもあきらかではないの。
uumin3さんはテストや公表に弊害があるかないかという問いを立てているが、ずいぶん甘ったれた問の立てかたですね。今の中学校でこのテストのために1日つぶされるということは授業または生徒の活動のための時間がそれだけ減ることです。中山某を始めとした教育経験もない人たちが実施させた「テスト」がそれだけの価値を持つものだと、あなたは主張していません。しかしそう主張できないならすでにあまり成果がないことは分かったテストは止めるべきでしょうね。