松下昇への接近

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イラク戦争とイスラエル

ここまでのイラク戦争への批判は学説に則った比較的オーソドクスなものだったが、2006年3月、ミアシャイマーとウォルトは爆弾を落とした。共著で論文"The Israel Lobby and U.S. Foreign Policy"(参照)とその簡約版(London Review of Books)を発表、アメリカの外交政策は「イスラエル・ロビーの比類なきパワー」のネガティヴな影響を受けており、「イラク戦争イスラエルをより安全にするという望みにかなりの部分が動機付けられていた」と主張したのだ。この論文は反ユダヤ主義であるとの非難と、内容の是非をめぐる激しい論争を巻き起こし、論争は今も継続している(wikipediaが論争の便利なハブになっている)。
http://d.hatena.ne.jp/Gomadintime/20060709
AztecCabal - このチェンバレン! ミュンヘン野郎!!

 ブッシュ政権の中東政策は確かにこのレジームチェンジ、体制変革というものに相当傾斜したところにあるわけですが、ただ単にネオコンの影響だけとは言えないものがあります。イスラエル・ロビーの存在を指摘する人もいます。あるいはイスラエル・ロビーとネオコンとが重なっているという面も一部にはあります。 1967 年に中東戦争が起きたときに、これは 6 日間で戦闘が終わったわけですが、この 6 日間の中東戦争が終わった 1967 年以降、アメリカの意思決定過程にイスラエル・ロビーの影響力がかなり決定的になりました。それからほぼ 40 年を経過しています。その都度イスラエルの影響力がアメリカの意思決定過程に強く見られるわけですが、レジームチェンジを掲げる考え方の背景にネオコンのみならずこのイスラエル・ロビーがあったというふうに言われているわけです。
http://www.21ppi.org/japanese/hitokoto/tanaka293.html
田中直毅 2006/11/10 米国中間選挙と対イラク政策