松下昇への接近

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トルコのイスラエル国家化!

トルコ軍、新たにクルド労働者党35人を殺害 

 【カイロ=福島利之】トルコ軍は23日夜、イラク北部クルド自治区の山中に拠点を持つクルド人武装組織「クルド労働者党(PKK)」に対する攻撃について、新たにPKKの戦闘員少なくとも35人を殺害したと発表した。

 トルコ軍が殺害したとするPKK戦闘員は計79人に達した。

 トルコの半国営アナトリア通信などによると、トルコ軍は23日、イラク北部のトルコ国境付近のカンディル山脈やザップなどPKKの拠点を攻撃。双方の衝突で、トルコ軍兵士2人が死亡し、トルコ軍の死者は計7人となった。

 一方、親PKKの通信社によると、PKKは国境近くの山中で、トルコ軍の攻撃ヘリコプター1機を撃墜。さらに、PKKの司令官は「クルド人の若者が(トルコの)大都市で、トルコ軍の侵攻に対する報復を行う」と警告した。
(2008年2月24日20時33分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20080224-OYT1T00468.htm

 イラク人が35人死んでもイスラエル人や日本人と違い大ニュースではない。わたしもあまりピンときていなかったのですが、下の天木さんの文章を読んでこれはたぶん大きな悪いニュースなのだろうな、と思った。
 イスラエル軍ヒズボラを攻撃するという無法が、米国他の列強によって許容され、その模倣であるトルコの越境攻撃も許容されてしまうと、国境を尊重するという国際法のルールが崩壊する。そして一方では、(いままでイラク国内で自治エリアの繁栄のために努力を傾けていたであろうところの)PKKのメンバーは、仲間を殺された以上、戦争かテロに傾斜せざるをえない。親イスラエルの米国の中東政策は中東をますます泥沼化させていっているようだ。

 天木直人さんのブログから

   21日の夜にトルコ軍がイラク北部に侵攻し、クルド人武装組織と地上戦を開始したという報道が流れた。トルコ軍の発表ではクルド人戦闘士44名が死亡、トルコ軍兵士も5名死亡したという。

   現地報道では投入されたトルコ兵士は約1万人であったという。昨年10月に始まったトルコ軍のイラク越境軍事作戦は、おさまるどころか拡大の一途である。ついに、米国のイラク攻撃当初に想定された最悪のシナリオが現実になったということだ。

   重要な事は、このようなトルコ軍のイラク北部攻撃は米国の承認なしにはありえないということだ。イスラエルの安全保障を確保するためには、北方のトルコと南方のエジプトを親米・イスラエルにとどめておかなければならない。そのためにはイラク主権の蹂躙は二の次である。
http://www.amakiblog.com/archives/2008/02/24/#000729