松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

おおきくピントがずれている

http://d.hatena.ne.jp/drmccoy/20050519/1116492120
私は2・26事件を首謀して処刑された磯部浅一なんかは靖国に祀られていないから怨霊と化して日本を軍国主義に導いたんじゃないか、なんて冗談交じりに言ったりすることもあります。

 上に村上一郎の文章を長く引用したのは、野原としてはこのマッコイ氏の文ががまんできなかったからです。
生きてるうちから魔王と呼ばれたりもした北一輝なり磯部浅一なりが、菅原道真よろしく「怨霊と化す」という想像は、数百万の日本兵靖国に集まっているなんてイメージより、ずっと日本の日本の伝統にそったものである。しかしながらなぜそこで日本を軍国主義に導かねばならないのか、皇居に原爆でも落とすならまだしも。
 悪意はそれほどないのだろうがピントが全くずれている。やれやれ。

 二・二六事件は、ファシズムの政治権力を樹立しようがために起こされたのではなかったけれども、何か事あれかしと待っていた幕僚ファシストは、事件を鎮圧することを契機に、「粛軍」の名のもとにファシズムへの道を開いていった。幕僚=官僚というものが、自体何のイデオロギーをももたぬ事務官、行政技術家に見えながら、実はおそろしい中味をもっていることを見なおさねばなるまい。
(p183 同書)

ここでいう、幕僚=官僚というものは東条英機とはちょっと違うのかもしれない。がいずれにしてもライバル石原より知力、行動力何れにおいても劣ると言われた東条が日本を破滅させた。そして彼の思想の根拠である「無責任性」を日本人全体に蔓延させることにより、日本に二回目の破滅をもたらすことになるだろう。*1

*1:そこまで断言する根拠は持ってないが