松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

2008-12-09から1日間の記事一覧

「絶対的真実はないと主張する」ことの含意

B.ポストモダニズム系リベラルの理論家は、「公共空間の言論は開かれていて絶対的真実はない」と随所で主張している。C.だとすれば。ポストモダニズム系リベラルは、たとえその信条が私的にどれほど許し難かったとしても、南京大虐殺がなかったと断言するひ…

「真理はない」などとデリダは口にしない

その確信とは、真理はつねに解釈から無限に退引し続けているということです。(p66 同書) この文を「絶対的な真理はない」とパラフレーズしても良いだろうか? いけない。 「真理はない」などと私が口にしたことは一度もありません。p68 そうではなく逆に、…

あらかじめ隠されているものを無視すること

自らの聴取の位置、発話の位置をまったく問題化しない態度を、アーレントは没思考性(thought-lessness)という言葉で表現した。“thoughtless”という表現は、一方における批判的思考の欠如と、他方における他者の意見や行為へのアテンションの不在との間に結…

気がつかない、今は

・・・・・・追悼が要求しているように、自分には負債があることを表明せざるをえないと感じるときが、来るのである。自分が友に負っているものを語るのは義務だと感じる時が。(デリダ)*1・・・・・・ 自己である限りの自己を大事にするのではなく、むしろ…