松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

人権派弁護士及び冉雲飛氏などの身柄拘束についての要望書提出

http://d.hatena.ne.jp/noharra/20110227#p1 ずいぶん前*1 に書いたこの「署名」について、外務省に提出したとの事。

   中国の人権派弁護士の身柄拘束等に関する    署名活動の最終結果についてのご報告
    2011年6月8日


    子安宣邦大阪大学名誉教授)、稲正樹(国際基督教大学教授)、川島高峰明治大学準教授)、河内謙策(弁護士)、川人博(弁護士)、麻生晴一郎(ジャーナリスト)


 私たち6名は、今年に入ってからの中国当局による市民の逮捕や身柄拘束事件の頻発に心を痛め、3月3日に、日本政府が中国政府に対し、市民や人権活動家や人権派弁護士等の釈放を申し入れることなどを求める署名活動を提唱させていただきました。私たちの呼びかけが緊急であったにもかかわらず、多くの方が快く呼びかけにこたえていただき、署名は、最終的には、10団体、276名、合計286筆となりました。この間に御協力いただいた皆様に心から感謝いたします。


 私たちは、皆様の署名を持参して外務大臣と会見しようと計画したのですが、私たちの署名活動の直後に前原外務大臣(当時)の辞任問題、東日本大震災が発生し、外務大臣に私たちの会見希望が伝わったものの外務大臣が会見に応じることを積極的に表明しないという異常な状態が長く続きました。 そこで私たちは、このまま異常な状態を続けるよりも、外務省の役人に会って署名用紙を渡し、私たちの考えを早く伝えたほうがよいと判断し、6月8日、川島高峰と河内謙策が外務省を訪問しました。外務省側は、中国・モンゴル課の課長補佐町田穂高さん、同課外務事務官國金栄江さん、ほか1名が応対してくださり、約40分間話し合いをしました。
 署名用紙を手渡した後、川島高峰が、「日本の市民と外務省の間にギャップがあるのではないか」「見て分かる外交をしてほしい」「日本のNGOとの連携がないのは問題だ」などと追及したのにたいし、外務省側は、具体的な私たちの要望には触れず、「皆様の要望は必ずしかるべきところに伝えます」「私たちも中国における自由や基本的人権が重要だと考えています」「ただ私たちの活動が見えないからといって何もしていないと考えてもらっては困ります」「やり方はいろいろあるのです」「今年の5月の日中首脳会談で菅首相の提起した日中人権対話の場なども活用していきたい[次回の日中人権対話についてはスケジュール等調整中とのことです] 」「NGOの方でも、いろいろな意見を統一して表明していただければありがたい」という見解を表明しました。
 私たちの今回の活動は、これで一応終了とさせていただきます。


 私たちが問題にした人権派弁護士、唐吉田、江天勇、タンピャオ弁護士は解放されたようですが(唐吉田は故郷で軟禁か)、新たに、艾未未陳光誠、李海、古川、唐荊陵、劉士輝、などの人権活動家、芸術家、弁護士が軟禁・失踪・拘束の状態にあると言われており、維権網は、ジャスミン革命の動きに連座して45人が刑事拘留、約300人が軟禁され、60人強の市民が「失踪」していると伝えています。
 これらの人々のこと、これらの人々の家族のこと、これらの人々の友人のことを考えると、私たちは、私たちが踏み出した第一歩をさらに大きく発展させる必要があると考えています。私たちは、新たな構想のもとに、さらに中国の人々との自由と人権の連帯の輪を大きくしていきたいと考えています。そのときには、また皆様に御協力を御願いし、皆様と一緒に新たな前進をしていく決意ですので、なにとぞ宜しく御願い申しあげます。


 最後に、このメールを見られた方が、皆様の周囲で署名活動に協力していただいた方に、このメールの内容を知らせていただくよう併せて宜しく御願い申し上げます。                          以上
http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-June/009956.html

*1:原発災害以前