松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

あ−あ、tummygirlさんを怒らせちゃった

当たり前だ。
 
今更フォローにならないが、昼間書いた(引用によって作成した文章)も掲げておく。
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私は以前からid:tummygirlさんのファンなので、久しぶりに彼女のブログを読みに行ってみた。

(1)

以前に出席した学会で、イスラエルをめぐる中東の緊張関係を背景に、「イスラエルではLGBTの権利が比較的認められており、<従って>イスラエルこそが欧米と肩を並べる近代国家であって、<従って>中東における国家としての存在の優先権を持つのだ」というロジックがしばしば動員されている、という批判を聞いたことがあります。「LGBTの権利」が、他の点における権利の蹂躙を正当化する目的で持ち出されるわけです。
http://d.hatena.ne.jp/tummygirl/20080225/1203924332

上の記事では nofrillsさんが何に怒っているのか、しろうとには分かりにくいかも?と、 思ったのだが、その議論の原点をtummygirlさんは的確に描写している。


(2)
次に、パレスチナで検索すると、またまた読み応えのある文章が出てきた。

たまたま中国に出張に行ったときに、チベットで暴動がありそれを伝えるニュースを見た。
CCTVの英語放送、で。

チベットでこんな暴動をおこす若者がいて大層困ったことであった、どうやら暴動はおさまりつつあり、人々も平常な生活を取り戻そうとつとめていはいるものの、純真な子供たちはトラウマを負い(「怖かったの〜」という子供のインタビュー挿入)、罪もない善意の市民が巻き込まれて負傷し(老父の無事を確かめにいこうとして暴徒に襲われたという漢人の医師のインタビュー挿入)、本当にもうああいう輩はいけませんね、という雰囲気。
http://d.hatena.ne.jp/tummygirl/20080325/1206423253

暴動の背景には、当然中国当局などからのチベット人に対する長い間の抑圧の累積があるはずだが、それにはいっさい触れず、中国人の側の純真な子供たち、老人などに焦点を当てることにより、罪もない善意の市民が被害にあったという印象を視聴者に与えるような、作り(プロパガンダ映像)になっている、とそのことをtummygirlさんはするどく指摘する。

渡航直前に一応ニュースを見ていたので、その臆面もない粉飾ぶりに苦笑いしか出ない気がする反面、一連の「暴動」を扱うCCTVの報道のてさばきが、たとえばパレスチナの「暴動」に関する「自由世界諸国」におけるそれを見事に反復していることもまた明らかで、それを思うと、苦笑いではすまないどす黒さが。

そしてそのような「暴動を扱うCCTVの報道のてさばき」は、イスラエル自由主義諸国がパレスチナの「暴動」を扱うてさばきの反復そのものであることにも気づく。
この辺の鋭敏ささが、彼女がたいへん優れているところだと思う。

実際、この記事が書かれてからの5年間にも、中国や北朝鮮の国家機関がイスラエルなどの情報操作テクニックを学び、応用し続けていることは、間違いないだろ
う。

だから私が指摘したようなことは、tummygirlさんは当然、踏まえた上で書いておられるのだろう。