松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

河村建夫官房長官が引き出した機密費2億5000万円

今日の毎日新聞朝刊一面に載った「ガバナンス・国を動かす:第2部・澱む情報/2」は興味深い。

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100224ddm001010009000c.html

 2月18日、大阪地裁806号法廷で内閣官房報償費(官房機密費)をめぐる行政訴訟の第1回口頭弁論が開かれた。原告は大阪の市民団体。衆院選直後の昨年9月1日、当時の河村建夫官房長官が引き出した機密費2億5000万円の使途について、情報公開を拒んだ国の判断の取り消しを求めて裁判を起こした。

 原告は「政権明け渡し直前の持ち逃げではないか」と河村氏を批判するが、不満の矛先はなかなか情報開示に動かない鳩山内閣にも向いている。


平野博文官房長官は就任翌日の記者会見で官房機密費について「そんなのあるんですか」「引き継ぎを受けていない」ととぼけた。」記事は平野官房長官が一貫して、機密費公開に否定的である経緯をくわしく追う。

 事実は違った。河村氏は昨年9月初め、官房長官に内定していた平野氏を議員宿舎の自室に招き、ひそかに引き継いでいた。「あなたも知っているだろうが、報償費というものがある。表に出せないカネだ。自分の判断で使えばいい」

 平野氏が機密費の存在を認めたのは11月5日になってから。それでも「私が責任を持って判断する。信頼いただきたい」と開き直り、詳しい説明を拒んだ。

 鳩山内閣は2月5日付の答弁書で、自民党時代に外務省から機密費上納があったと事実上認めた。鳩山由紀夫首相も「こういうものはできる限りオープンにした方がいい」と更なる情報公開に前向きな姿勢を見せたが、翌日、平野氏が「書類が残っていない」とくぎを刺すと「ああ、そうなの」とあっさり引き下がった。

 上納の認定を主導したのは岡田克也外相だ。平野氏はむしろ一貫してブレーキ役を果たしていた。

どうもこの平野氏というものはなんなんだろうね。情報公開に一貫して消極的、これでは自民党や小役人と変わらない。

 首相官邸に計上される内閣官房報償費(官房機密費)は国家権力の象徴だ。09年度の予算額は14億6165万円。うち官房長官管理分が12億3021万円、内閣情報調査室分が2億3144万円となっている。
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100224ddm002010033000c.html

 上納システムは、野党の監視が厳しい官房機密費の増額を表向き抑制する代わりに、外務省の報償費(外交機密費)を年々増やして裏から吸い上げる経理操作だった。その額は80年代には年間20億円に達し、政権の既得権益として常態化した。
(略)
 機密費の裏操作は01年1月、外務省幹部による機密費詐取疑惑で表面化した。

 毎日新聞は同年3月、上納システムを関係者の証言で詳細に報道。これを受け、55億円だった外交機密費は02年度から約33億円に圧縮され、07年度以降は27億円で推移している。結局、上納による組織的な裏金作りは、01年まで約40年間続いていたことになる。(同上)

 問題は内政に関する支出だ。自民党政権では党の幹部が野党工作のために湯水のように機密費を使ったり、選挙対策にも流用されたと言われている。こうした政権維持だけを目的にした支出は、官房機密費と呼ぶに値しないと思う。
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100224ddm002010040000c.html

資料:

機密費:前政権末期の支出「それまでと異なる」 政府見解

 政府は19日の閣議で、政権交代が決まった衆院選直後の昨年9月1日、麻生前政権の河村建夫官房長官(当時)が2億5000万円の内閣官房報償費(官房機密費)を引き出したことについて「それまでの支出の態様とは異なるものと言わざるを得ない」と指摘した答弁書を決定した。鈴木宗男衆院議員(新党大地代表)の質問主意書に答えた。

 平野博文官房長官は昨年11月、国庫から歴代官房長官に支払われた官房機密費の金額を公表。毎月の請求額は平均1億円で、その2.5倍に達する駆け込み支出が明らかになっていた。答弁書は「河村長官の判断により執行されたものであり、その個別具体の判断の適否については、現内閣としてお答えする立場にない」としている。【坂口裕彦】
毎日新聞 2010年2月19日 19時21分
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100220k0000m010054000c.html

以上、全文読めばすむことですが念のために部分コピペしてみました。
「政治と金」イコール「小沢たたき」みたいな大変奇妙な風潮が止まりません。政権交代とは自民党政権がやった大小の悪が暴(あば)かれることであるはずです、ふつーなら。
河村建夫官房長官が引き出した機密費2億5000万円の使途問題について、国会は全力をあげて明らかにすべきです。