松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

白い紙をただ手にするという静かな抗議活動

譚作人についての去年8月の記事。

  四川省成都市近郊に建設予定の石油化学工場に反対するため、白い紙をただ手にするという静かな抗議活動を行い、良識ある市民の賛同を得た譚作人が逮捕され、「国家転覆扇動罪」で告発された裁判
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=200909081225532

 豊富な刑事事件の弁護経験を持つ夏霖と、有名な人権派弁護士の浦志強から見れば、8月12日の、譚作人の「国家政権転覆罪」の嫌疑に係るこの裁判は、法廷内外の数々の「盛り上がり」を含め、どの事柄も全くいいかげんで法律を重んじない、人をばかにしたものだ。公判では証人の出廷が許されず、弁護士の話はしばしば中断させられ、まともな弁論などしようがない。譚作人は家族との抱擁をいまだ実現できない。一方、法廷の外では重要な証人が暴行を受け、譚作人の15歳の娘が隔離され、インタビューをしようとした香港の記者は「麻薬所持の疑い」で拘禁され、冉雲飛ら何人かの重要な関係者はみな、審理期間中、警察の審問を受けている。

──「転覆扇動罪」の罪名について、原告側は主にどのような罪状を挙げていますか?

 夏霖:罪状は4つある。第一は広場日記、第二は王丹(天安門事件で亡命した米国在住の知識人)との関係、第三は広場での献血、第四は地震に関することだ。我々はその一つ一つに反論している。
 広場日記について、我々は香港の民主建港聯盟(訳注:香港の親中左派政党)の馬力主席(07年、病死)の言論との関連を調べて明らかにした。譚作人の文章は彼の言論に触発されたものだ。
王丹との関係については、第一に譚作人と王丹の間にあったのは私的な電子メールのやりとりであって、「不特定多数に向けて公開される」という扇動罪の定義に当てはまらない。第二に2人の政治的関係についてだが、私は法廷での弁護で、こう表現した。「もしも王丹が譚作人を焚きつけたと言うのなら、まだ筋が通るけれども、譚作人が王丹を焚きつけたと言うのは、少々おかしい。王丹は前から国外で(訳者補足:共産党の)敵方に回っているのに、彼を焚きつけてどうする?
 広場での献血に至っては、事実は被災地区のための献血だった。地震がらみの“中傷的言論”については、我々は最も多くの証拠を用意している。

 ──弁護側として、どのような証拠を提出しましたか?

 夏霖:法廷で提出したのは2件、どちらも彭州石油化学工場に関することだ。一つは譚作人の書いた『問題プロジェクトについての問題』のレポート、もう一つは前に譚作人が成都市政府と人民代表大会政治協商会議に提出した「成都彭州石油化学工場プロジェクトに関する公民意見建議書」だ。起訴状は彭州石化のことには触れていないが、譚が法廷で突然その話を持ち出すかもしれないと思い用意しておいた。
 その他の18の証拠は開廷前日の午後、検察官との証拠交換の時に提出した。艾曉明(訳注:1953年生まれ、広州・中山大学教授。女性問題および社会問題)が撮影した記録映像『天国の子供たち』、香港のテレビ局、鏗鏘集(Hong Kong Connection)の映像、地震の時の『南方週末』と『財経』、『中国国家地理』の手抜き工事から水利工事にまで及ぶ調査など地震関係調査の証拠。それから譚作人が公益のために尽力する環境保護活動家であることを証明するいくつかの証拠、以前人民代表大会に提議したことなども含まれる。すべて原本通りのものを提出している。

(以上 同上より)

国家転覆扇動で懲役5年=四川地震の手抜き工事告発−中国

2月9日11時31分配信 時事通信
 【北京時事】中国人権民主化運動情報センター(本部香港)などによると、四川大地震で校舎の手抜き工事を告発するなどして、国家政権転覆扇動罪に問われた民主活動家の譚作人氏(56)が9日、成都市中級人民法院(地裁)で懲役5年、政治権利剥奪(はくだつ)3年の判決を受けた。
 譚氏は被災地で校舎倒壊の原因を調査し、手抜き工事を放置していた地方政府を批判したことが、党と政府のイメージを傷つけたとされた。
 同じように校舎倒壊で子供が死亡した遺族を支援していた活動家の黄※氏(※王ヘンに奇)は国家機密文書不法所持罪で懲役3年の判決が今月初めに確定。共産党独裁を批判した「08憲章」を起草した反体制作家の劉暁波氏(54)も昨年末、国家政権転覆扇動罪で懲役11年を言い渡されるなど、民主活動家に厳しい判決が続いている。 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100209-00000055-jij-int

googleではでてこなかったがちゃんと報道はされているのだね。
これに対し、
ayano_kougさん という人が、次のように言っている。

手抜き工事を訴えた人が国家転覆扇動で実刑判決されるなんて
中国は異常ですね?

ホント気持ち悪い。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1036466820

中国異常論という結論を批判するのは容易だがそれでよいのか?
(2/11追記)