松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

劉暁波の忘れられた一冊の本

「現代中国知識人批判」の紹介を始めたい。

劉暁波 (りゅう ぎょうは、劉晓波、Liu Xiaobo)は中華人民共和国著作家。1955生まれ。人権活動や民主化運動に参加し独立中文筆会主席に就任。2008年12月10日『零八憲章』に署名。直後から当局に拘束され続けている。 http://ja.wikipedia.org/wiki/劉暁波 2:08 AM Nov 28th webで
twitterでは、劉暁波は検索できないが、Liu Xiaoboではたくさんでてくる。ただし英語と中国語。*1


現代中国知識人批判の原題は「中国当代知識分子与政治」である。*2
http://www25.big.jp/~yabuki/doc/li921109.htm
野澤俊敬訳で、徳間書店から1992年に出版された。図書館から借りたので現在私の手元にあるが、まあ入手困難本でありまた興味を持っている人もまったくいないと思われます。*3わたしも2週間前にこの本を借りるまで特段の興味は持っていませんでした。
周辺情報は後回しにして、まず本文を読んでいきたい。ただし導入として、矢吹晋さんの一文を借りる。

本訳書の原文は「中国当代知識分子与政治」であり、天安門事件の直前、彼のアメリカ滞在中に執筆されたものである。大陸では出版を許されず、香港『争鳴』に八九〜九一年に連載、のち台湾で単行本として出版されている。劉暁波は一九五五年吉林省生まれの青年思想家である。
http://www25.big.jp/~yabuki/doc/li921109.htm

まず目次を掲げる。

  1. 文化大革命に対する否定
  2. 道徳的人格の万能を信じれば
  3. 専制下ではかなる正義も得られない
  4. 大いなる皇恩のもとでの媚態
  5. 唯我独尊式の自己美化
  6. 知識人のプロレタリア化−−現代の愚民主義
  7. 真理を堅持せぬ功利的人格
  8. 知識界における足のすくい合い

文化大革命(1960年代後半から1970年代前半まで続いた)と天安門事件(1989年6月4日)を含む中国の政治、文化の大きすぎる波動のなかで、その核心を突こうという志によって書かれた本だ、ということになるかもしれない。ところがわたしは中国情勢について一通りの知識ももっていないのだ。

(続く)

*1:http://twitter.com/#search?q=Liu%20Xiaobo

*2:wikipediaに《中国現代政治と中国知識人》 台北唐山出版社1990年出版 とあるのと同じだろう。

*3:ただし一発逆転ノーベル賞の希望も一縷はある。