松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

『天安門事件から「08憲章」へ−中国民主化のための闘いと希望』(劉暁波著、藤原書店)

という本がでます。劉燕子(リュウイェンズ)訳。

 中国の知識人303人が、人権の保障や共産党一党独裁体制の終結を求めた「08憲章」を、インターネット上に発表したのは、昨年の12月、世界人権宣言60周年にあわせたものだ。“仕掛け人”とされる作家、劉暁波リュウシャオボ)さん(53)は、このとき当局に拘束され、今も獄中にある。

 ▼劉さんといえば、1989年6月4日の天安門事件で、学生支援のハンストを行い、武力鎮圧が始まると、徹底抗戦を叫ぶ学生を説得して、被害を小さくしようと尽力したことで知られる。事件後、当時の学生指導者や知識人の多くが、海外に去ったり、実業界に転じたりするなか、国内で民主化活動を続ける筋金入りの人物だ。

  ▼あれから1年、中国当局の厳しい言論統制のなか、憲章への署名は1万人を超えたという。日本でも、「08憲章」の内容と、詩人でもある劉さんの存在を広く紹介したいと、大阪在住の作家、劉燕子(リュウイェンズ)さんらがこのほど編集したのが『天安門事件から「08憲章」へ−中国民主化のための闘いと希望』(劉暁波著、藤原書店)だ。

 ▼「編者解説」のなかで劉燕子さんは、アメリカやヨーロッパに比べて日本の知識人が、中国の民主化や人権の問題に関心が薄いことを嘆き、「中国批判は反中国の右翼というレッテルを貼(は)られるというおかしな状況」に首をかしげている。

 ▼実は劉暁波さんは、ノーベル平和賞の候補の一人ともいわれてきた。実際に受賞したオバマ米大統領が、先月中国を訪問した際、劉さん釈放の期待もあったが、かなわなかった。

 ▼さて、世界人権デーの10日、民主党小沢一郎幹事長が、約150人の国会議員を引き連れて訪中する。何をしにいくのか知らないが、せめて「08憲章」に目を通してから、出発してほしい。
http://sankei.jp.msn.com/world/china/091207/chn0912070251000-n1.htm

小沢さんも産経ごときに「何をしに行ったのか」と馬鹿にされたりしないように、普通の人権感覚で率直に意見を言ってほしい。