松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

オバマか岡真理か/きみはどちらの立場に立つか?

ガザのあとで−−
わたしたちは人間であることに恥を覚えることなく、「ガザ」という名を口にすることはできない。ガザ、それは人間性の臨界を意味する言葉となった。「アウシュヴィッツ」や「ヒロシマ」と同様、人間性の臨界域において現出する悲劇の同義語となった。


ホロコーストのあとで−−
「わたしたちは知らなかった」、ドイツ人たちはそう言って自らを免罪しようとした。(略)


では「ガザ」は?2008年12月27日以来、ガザで起きたこと*1は? 150万人の人間を出口なしの檻のような狭い土地に閉じ込めて、世界最強の軍隊のひとつが空から海から陸から世界最新鋭の軍事兵器でミサイルの砲弾を、雨のように浴びせて殺戮する。そんなことが、わたしたちの目の前で、世界注視のなかで公然と、20日以上*2続いたのだ。まるで、「知っていたら、お前は本当に声を上げるのか?」と問わんばかりに。
岡真理「ガザのあとで」p8 現代思想isbn:9784791711925

イスラエルは自国の存続の権利を勝ち取るための戦いだという。ところで、イスラエルは2国家提案を受け取ったのではないのか。しかしそれに反し、パレスチナ国家を建設させ保持させるつもりは全くないようだ。パレスチナ人民をテロに走るくらいしか生きがいがない状態におしやって、このまま数百万人を奴隷化することが可能だと考えているのか。出口のない殺戮。


「一般に、人間であるという事実のなかには、克服されるべき重苦しく胸をむかつかせる要素がある。」バタイユは偉大である。しかしむしろ岡真理の方が普通の感じ方だろうと思う。岡真理を通ってバタイユの方へ。

*1:原文「今起きていること」を訂正、野原が

*2:20日近くもを訂正、野原が