松下昇への接近

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08憲章について 中国に言論の自由を!

08憲章=中華連邦共和国憲法要綱」という憲章*1が、12月9日(1948.12.10の「世界人権宣言」公布60周年)の日に*2、数百人の署名で*3発表された。

下記ブログに和訳あり。
http://blog.goo.ne.jp/sinpenzakki/e/597ba5ce0aa3d216cfc15f464f68cfd2

日本のマスコミは、産経新聞以外 ほとんど黙殺状態である。
ネットでも反響はかなりすくないように思う。
上記和訳ははてブわずか42ユーザー
共同署名者香港誌『開放』編集長・金鐘氏による解説の和訳が下記にある。
http://blog.goo.ne.jp/gokenin168/e/d022f6abde81c9ba344723aead791837


文章は「中国国民は、自由・平等・人権が人類共同の普遍的価値であり、民主・共和・憲政が現代政治の基本的制度枠組みであることを日増しにはっきりと認識しつつある。」といった原則の確認から始まる。
自由・平等・人権といった言葉へのシニシズムが、「ポストモダン」の名の下に限りなく浸透しているというのがわたしたちの状況である。
本当に人類共同の普遍的価値と言って良いのか?という問いに野原もまた捕われる。しかしそれはこの出来事にかかわる私の姿勢を規定しない。

中国政府は、1997年、1998年にそれぞれ二つの重要な国際人権規約に署名し、全国人民代表大会は2004年の憲法改正で「人権の尊重と保障」を憲法に書き込んだ。今年はまた「国家人権行動計画」を制定し、実行することを約束した。しかし、こうした政治的進歩はいままでのところほとんど紙の上にとどまっている。法律があっても法治がなく、憲法があっても憲政がなく、依然として誰もが知っている政治的現実がある。統治集団は引き続き権威主義統治を維持し、政治改革を拒絶している。そのため官僚は腐敗し、法治は実現せず、人権は色あせ、道徳は滅び、社会は二極分化し、経済は奇形的発展をし、自然環境と人文環境は二重に破壊され、国民の自由・財産・幸福追求の権利は制度的保障を得られず、各種の社会矛盾が蓄積し続け、不満は高まり続けている。
http://blog.goo.ne.jp/sinpenzakki/e/597ba5ce0aa3d216cfc15f464f68cfd2

以上の現状認識は正しいだろう。それに対し、

自由は普遍的価値の核心である。言論・出版・信仰・集会・結社・移動・ストライキ・デモ行進などの権利は自由の具体的表現である。自由が盛んでなければ、現代文明とはいえない。

自由の尊重、以下の原則で立ち向かうことは正しい。

14、財産の保護:私有財産権を確立し保護する。自由で開かれた市場経済制度を行い、創業の自由を保障し、行政による独占を排除する。最高民意機関に対し責任を負う国有資産管理委員会を設立し、合法的に秩序立って財産権改革を進め、財産権の帰属と責任者を明確にする。新土地運動を展開し、土地の私有化を推進し、国民とりわけ農民の土地所有権を確実に保障する。

15、財税改革:財政民主主義を確立し納税者の権利を保障する。権限と責任の明確な公共財政制度の枠組みと運営メカニズムを構築し、各級政府の合理的な財政分権体系を構築する。税制の大改革を行い、税率を低減し、税制を簡素化し、税負担を公平化する。公共選択(住民投票)や民意機関(議会)の決議を経ずに、行政部門は増税・新規課税を行ってはならない。財産権改革を通じて、多元的市場主体と競争メカニズムを導入し、金融参入の敷居を下げ、民間金融の発展に条件を提供し、金融システムの活力を充分に発揮させる。

このような原則で、米国〜ロシア型の資本主義になってしまわないか、と心配しないでもない。
だがそれは、当事者が自由な討論で決めていけばよいことだ。


中国当局劉暁波氏を拘束からの解放し、彼らの言論の自由を保証せよ!!


追記:http://blog.goo.ne.jp/sinpenzakki/d/20081220 に
バツラフ・ハベルさんのChina's Human-Rights Activists Need Support という英文の文章あり。

東浩紀は08憲章に言及する必要はないか

この間わたしたちは、
東浩紀)12月1日http://www.hirokiazuma.com/archives/000465.html 以降の「論争」に関わったと。まあ日本シニシズムの最先端ですね。で例えば、
「端的な事実として、現代のヨーロッパでは、ヘイトスピーチへの法規制が進んでいる」ことに懸念を示し、「たとえその信条が私的にどれほど許し難かったとしても、南京大虐殺がなかったと断言するひとの声に耳を傾ける、少なくともその声に場所を与える必要があるはずである」とする東氏の主張を擁護する崎山氏*4などは、この問題について意見表明をしないのでしょうか?

*1:1977年にチェコスロバキアでハベル氏らが人権擁護を求めた「憲章77」をモデルにしたものだという。

*2:当局による弾圧を察知して1日繰り上げて発表したらしい

*3:最初の署名人は303人。

*4:http://blog.sakichan.org/ja/2008/12/14/on_attacks_against_hiroki_azuma