松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

トフティさんについて

「中国の胡錦濤国家主席中曽根康弘海部俊樹森喜朗安倍晋三の歴代首相4人との朝食会が8日朝、東京都千代田区ホテルニューオータニで開かれた。」(産経新聞5/8より)
このとき安部元首相はトフティさんの無事釈放を希望する旨、胡錦濤氏に対し発言したという。
この安部発言には賛同します、わたしは。*1

 会場には緊張感が走り、出席者はみな一様に黙り込んだが、安倍氏はさらにウイグル問題にも言及した。東大に留学中の平成10年の一時帰国中、国家分裂を扇動したとして中国に逮捕されたトフティ・テュニアズさんについて「彼の奥さん、家族は日本にいる。無事釈放されることを希望する」と求めたのだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080508-00000967-san-pol

トフティさんについて良く知らないのでググってみた。
トフティ・トゥニヤス トフティ・テュニアズ トフティー 托和提

 トフティは1959年に新疆ウイグル自治区カシュガルのバイ県で生まれ、82年に北京の中央民族学歴史学科を卒業した。卒業後は全国人民代表大会民族委員会の法律審議室で勤務し、民族政策策定のために諸提案を行う職務に就いていた。
(略)
民族政策の研究のために日本へ行くことを決意し、1990年に立教大学の奨励客員研究員となった。その後、財団法人東洋文庫の研究員として1993年まで日本に滞在した。
(略)
3年の日本滞在後、中国の元の職場「民族委員会」に戻ったが、(略)
日本への留学を認めてもらうよう上司や幹部に相談したが認められず、1995年に職を辞め再来日し、東京大学の人文社会系博士課程に入学した。研究テーマは中国の民族政策史とウイグル民族史であった。日本で資料を集めるだけでなく、世界各国に出かけてそこの資料にも目を通し、相当量の資料を集めていた。
http://saveeastturk.org/jp/index.php/%E4%B8%8D%E5%BD%93%E3%81%AB%E6%8B%98%E7%A6%81%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E7%95%99%E5%AD%A6%E7%94%9F%E3%83%88%E3%83%95%E3%83%86%E3%82%A3

 ウイグル人留学生トフティ・トゥニヤスは、博士論文の資料を収集するために1998年2月に一時帰国したところ、ウルムチ市国家安全庁により拘束された。2000年3月に「国家機密不法取得罪」と「国家分裂扇動罪」によって懲役11年、政治権利剥奪2年の刑が確定し、現在もウルムチ市第三監獄で服役中である。
(同上)

 トフティはウイグルの歴史と文化とを研究していたが、東トルキスタン独立運動を行った訳ではなく、むしろ漢族とその他の民族との連帯を模索していたと言われている。そのような彼にしても、調べすぎた、知りすぎたということで、不当に逮捕され有罪とされたのである。(同上)

参考
http://www.monomono.jp/tohti_j/

おとなり日記

訪日中の胡錦濤国家主席と日本の首相経験者との朝食会で、安倍元首相がKYな発言をブチかましたそうです。自分が先に読んだのは下の記事だったので「をいをい安倍さんはまだ治ってないのかよ」と思ったのですが、上の引用記事を読んで確信犯だったことを知りました。
http://d.hatena.ne.jp/Kachila/20080508#1210228836

id:Kachilaさんは、国家の人権侵害に抗議することより、その場の空気を尊重することを重視する思想のようだ。

youtubu

トフティさんを救おうという大変よくできたアニメもある。
http://www.youtube.com/watch?v=vgJVN6ybX_k
彼は反国家活動をしていないことを強調する割には、この作品には反共主義の匂いがする(不必要ではないか)。

2009年2月10日

トフティーさんは11年という長い刑期を終えて去る2月10日、ウルムチの第3監獄から出所しました。
http://www.l.u-tokyo.ac.jp/~toyoshi/tohti.html

*1:確かに私は良く知らないですが。下記のサイトを見て判断しました。誤り、偏向があると思われるかたは指摘してください。