松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

いとどみじかき うたたねの夢

   式子内親王 の歌をもう2種 写しておこう。

夕立の 雲もとまらぬ 夏の日の かたぶく山に ひぐらしの声

窓近き 竹の葉すさむ 風の音に いとどみじかき うたたねの夢

今日はひどく暑いので、この歌などは暑い暑いとだらけてしまう気持ちをひきしめてむりやり涼を感じる助けになるかもしれない。
式子内親王の歌には、とても音程の高い鋭角的な叙情がかいま見える。
「いとどみじかき うたたねの夢」「雲もとまらぬ」とかいった、瞬間性、かりそめ性を本質とする。
「忘れめや あふひを草に 引き結び かりねの野べの 露のあけぼの」は声調もやさしくふんわりした余韻がある。だがやはりそこ感じられるのは、〈非在〉がそこにある確かさ(その裏側の鋭角的せつなさ)といったものである。

新潮日本古典集成『新古今和歌集・上』ISBN:4106203243 久保田 淳編 で「夏」のところだけ読んで、三首写してみました。

(わたし和歌のことは全く分からない者なのでデタラメですよ)