松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

自爆史観

 安部晋三たちの錯誤は、自分がアジア人であることを忘れている点にある。「遅れた」中国や韓国に向き合うパートナーとしては、米国は日本人をあたかも白人であるかのように扱ってくれたであろう。しかし中国や韓国に対する日本の絶対的優位なぞ20年前からどんどん失われているのだ。米国人にとってアジア人とは、「遅れた」者であり啓蒙の対象である。*1 アジア人というものはタリバンがそうであったように、個人の自由を尊重せずとりわけ女性の人権に無理解であるそうした存在である。
 今回安部晋三たちは、アメリカ人のそうした偏見の枠組みにそった反応を自ら演じてしまった。彼らの「啓蒙」は予定通り出動せざるをえなかった。即ち、自爆史観と言われるゆえんである。

*1:いうまでもなくこれは実際の日本人が遅れているかどうかとは関係ない