松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

二項対立的な思考は解体され

(前略)
<内部=日本/外部=アメリカ>という二項対立的な思考は解体され、日本とアメリカ合衆国だけでなく、アジアとの関係を射程においた、先の戦争に対する多様な理解と対話へと開かれる可能性が生じていくことになるはずである。
磯前順一 現代思想p193 isbn:9784791711673

馬鹿右翼は常に繰り返してきた。
<加害者=日本/被害者=アジア人>という二項対立的な思考は解体されるべきだと。
これは考えてみると少しも馬鹿げたことではない。
日本人も被害者だった。

米国を憎んでいる被爆者はいるのですか?

おそらくそうした問いが恥ずかしげもなく問われうる事こそが、戦後の終わりなのだろう。

アメリカが憎い』とうわごとを言い、01年の米同時多発テロを伝える映像を見たときは『ざまあみろ』と心の中で声が漏れた。*1

一つの真実。
支配者が60年間必死に隠蔽してきた一つの真実。

ざまあみろ。

ルサンチマンを上品にやり過ごすことこそが、日本の未来を開くという思想は間違っていた。
わたしたちはもう一度、「ざまあみろ」からやり直すべきである。

*1:毎日新聞 7月25日朝「主張 提言の広場」