松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

将軍様といい勝負だ。

軍部の従軍慰安婦連行に関しては、「絶対に書類だけはきちんとしておけ」という当時の軍部の具体的指導方法も含めて、国内外で無数の証言がある。国内に書類が残っていないことは当たり前なのである。それを根拠に、過去を謝罪をした「河野談話」をいまさら否定することは、信じられないような愚行だ。

自分の信じたいことだけを信じたい国内ウヨと、お父さんは正しかったと信ずるPTA小母さんは大満足するだろうが、恥ずかしいことを敢えて証言した多くの元従軍慰安婦達の証言を、いまさら否定するとは、安倍総理の人間としての人格を疑う。
ニッポンは、これでますます、国際的に孤立化し、いよいよ二流国家への道をまっしぐら。将軍様といい勝負だ。
(略)
http://homepage.mac.com/naoyuki_hashimoto/iblog/C1570102516/E20070302210101/index.html
IHT : 安倍総理従軍慰安婦強制連行の証拠はないと河野談話(宣言)を否定*1
Posted: Fri - March 2, 2007 at 09:01 PM

将軍様といい勝負だ」なんて言われても日本人はてんで受け付けないだろう。
でも、次のような海外での受け止め方を見るとそうでもないようだ。

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安倍首相の慰安婦発言、米議会で逆風受ける

「日本が従軍慰安婦を強制動員したという証拠はない」「米国議会が要求しても謝罪はしない」という安倍晋三日本首相の1日の発言が米国議会で逆風を受けている。

日本が謝罪談話を発表したという理由で日本政府の責任認定と公開的謝罪を要求する内容の慰安婦決議案に反対してきたダナ・ローラバッカー連邦下院議員(共和・カリフォルニア)が、安倍首相の発言直後に賛成に転じた。
ローラバッカー議員は6日、公報秘書室を通じて「安倍首相の発言は93年当時の河野洋平官房長官の謝罪談話を全面否認するもので、日本が慰安婦問題に対する歴史的責任を認めることを拒否しただけに、下院に提出された慰安婦決議案に反対する名分がなくなった」と明らかにした。
同じ共和党所属のタム・デービス議員はこの日、「慰安婦決議案支持のためのワシントン地域汎同胞対策委員会」発足式に秘書官を送り、「日本は歴史的過ちを否認してきた態度を改めて謝罪すべきだ」と伝えた。
またフランク・ウルフ下院議員(バージニア)も同じ日、ハロルド・ビョン共和党全国アジア委員会委員長を通じて「日本政府がずっと慰安婦問題に顔を背ける場合、指弾は免れないだろう」という立場を明らかにした。
サンフランシスコ有力メディアのサンノゼ・マーキュリー・ニュース紙はこの日、「安倍首相の発言はブーメランになって自分に返ってくるはず」とし「下院が来月の安倍首相の訪米前に慰安婦決議案を処理する可能性がある」と報じた。

ワシントン=李相逸(イ・サンイル)特派員
2007.03.07 17:12:42

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慰安婦:安倍発言に米国も不快感

 「従軍慰安婦連行に旧日本軍の強制性はなかった」という安倍首相の発言に対し、米国も不満げだ。ジョン・ネグロポンテ米国務副長官は2日、東京で行った記者会見でこのことについて質問されると「日本と(この問題の)関連国の間には今後、前向きな進展が望まれる重要な協議事項が非常に多いのに、従軍慰安婦問題が障害となる恐れがある」と述べた。

 米国務省関係者は「日本政府は米国務省に対し従軍慰安婦事案に関する外交使節団を派遣した。早期に議会に大規模な議員使節団の派遣を決めたことについて、韓国政府の官僚は非常に不快に思っている」と述べた。この関係者は「日本の外交使節団はディック・チェイニー副大統領に会おうと試みたが、結局会えなかった。日本は過去の歴史問題を直視しないため、主要外交懸案に問題が生じている」とも話している。
 アメリカ国家安全保障会議NSC)アジア局長を務めたマイケル・グリーン戦略国際問題研究所CSIS)顧問も、読売新聞とのインタビューで安倍首相が従軍慰安婦問題に介入することについて「歴史家に任せるべき問題で、政治が介入すれば難しくなる」「強制性の有無に関係なく、被害者の経験は悲劇的で、日本の国際的な評価はよくならない」と述べた。同顧問は「従軍慰安婦問題で日本が政治的に勝利することはない」との見方を示した。
 一方、中国の李肇星外相は3日、北京で開かれた全国政治交渉会議の開幕式で質問に答え「両国関係は肯定的な変化を経験しており、両国関係がさらに改善し、調和をなして暮らせるようになると信じている」と述べた。非難の言葉はまったくない。これは温家宝首相が来月訪日するのをきっかけに、中国が日本との関係改善に力を注いでいるためとみられている。

ワシントン=崔宇晢(チェ・ウソク)特派員
朝鮮日報朝鮮日報JNS

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http://eunheui.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/post_6fc9.html
壊れる前に…: 東南アジアの目、私たちの手
から、インドネシアの記事。

「日本の幼稚さ」(Japan's immaturity)と題されたインドネシアの英字紙ジャカルタ・ポストの社説(3月6日付け)。いくつかの文を引用する:

世界中の人々にとって、第二次世界大戦終結から62年近くたった今、なぜ日本が誠実に戦争当時の事実を受け入れることができないのか、なぜ自らの過去を顧みろと言われるたびにこういう「子どもっぽい」態度をとり続けるのかは理解しがたい。

世界は日本が繁栄し、力強く、平和的であることを望んでいる。過去の戦争に関してこの国を追い詰め続けるのは、新たなナショナリズムを生み出すような形で逆の効果をもたらすかもしれない。既にそのようなことが起こりかかっている兆候が見られる。

もし62年も経って日本の政治家たちがまだ歴史を否定しようとするなら、私たちは日本に対して憐れみを感じるしかない。

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フィリピンの記事。

「不誠実な安倍」(Dishonest Abe)と題されたフィリピンの Inquirer 紙の社説(3月4日付け)は、安倍首相の「強制はなかった」という発言に関して、

中国や韓国だけではなく、日本の忠実な同盟国であるフィリピン(この国では、日本軍の「慰安所」で何千人もの女性が繰り返し犯されたのである)からさえも反発は免れない。それが日本の国民に彼に関する考えを変えさせる力となるか、さらに彼の人気を高めることになるか、もうすぐ分かることになる。

*1:余丁町散人さんは永井荷風を愛する国際派でいわゆる左翼とは遠い方のようだ