松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

「戦後民主主義」は、一種の思想的独裁だったのだ

とアンカテ(essa)さんは言っている。アンカテさんという方はとても聡明でバランスのとれた知性をお持ちの方ではないでしょうか。で、真顔でそう言われると困ってしまう。

美しい国」というのは、「戦後民主主義」へのアンチテーゼであって、統一協会系の人脈はその線で使われているのだと私は思います。単なるしがらみで切れないとか政治的方便で利用しているとかではなくて、理念的なつながりがあって、確信を持ってそういう人たちを起用しているように感じます。

戦後民主主義」は、svnseeds’ ghoti!:日本語で上手な文章を書くには:10の「べからず」に戯画的に表現されている特定の価値観を押しつけてくる、一種の思想的独裁だと思います。(http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/20060908#p1 svnseeds’ ghoti!)
安倍さんは、その象徴として日教組(的なもの)を暗黙の仮想敵としているような気がします。初の「戦後生まれ」の総理として、イデオロギー的な左右対立から離れた所で、そういう「戦後民主主義」の欺瞞を打ち破っていくことを自分の役割と位置づけているのではないでしょうか。

そして、さらに、その日教組的なものを象徴するものとして「ジェンダーフリー」運動や文科省を具体的な仮想敵として、官邸主導の教育改革でそれを打破するというストーリー。
http://d.hatena.ne.jp/essa/20061004 アンカテ(Uncategorizable Blog)

だいたい、戦後60年を支配してきたのは自民党なのに、どういう理路でもって自民党が「「戦後民主主義」へのアンチテーゼ」なんていいだすことが出来るのか分からない。わたしは中学から私学だったので「日教組的なもののうっとおしさ」というものは体験的に分からない。しかし「日教組的なもの」とここでいわれている物を最初に大衆的に批判したのは新左翼全共闘といわれるような部分だったはずだ。その成果で*1日教組的なもの」の社会的影響力は1980年ごろから激減しているはずなのだが。
イデオロギー的な左右対立から離れた所で、そういう「戦後民主主義」の欺瞞を打ち破っていく」はずが、魂も何もない最低最悪のカスカスの皇国主義をとなえているだけになっている。とわたしは見ているわけだがそう見ない人もいるわけだ!

*1:というよりも高度消費資本主義という時代に合わなくなったからかな。