松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

“非正規”という名前の白昼の幽霊

保坂展人のどこどこ日記:雇用の「構造改革」が生んだワーキング・プア」 から引用させてもらう。

 福島みずほさんが国会で「非正規雇用」のことを取り上げたら、自民党の委員席から「正社員になればいいじゃないか」というヤジが飛んだと驚きあきれていた。官僚上がりや二世三世のボンボン議員にとっては「好きでフリーターやってるんだから、自業自得。やる気があるんなら社員になればいい」という感覚が宿っているのだろう。
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/b33d46e1cc1448514e78a7eff345c7c4

 実際これはおどろきあきれるしかない。同ブログによれば、労働者の3割が年収200万円以下。「その約8割がパートタイム・アルバイト・派遣労働・契約社員などの非正規雇用が占めている。」とのことだ。3割の人の実感とあからさまに乖離する常識を持った議員が平然としている「民主主義国家!」
 というか「自己責任」国家とはこうしたものなのか。感覚〜常識の問題ではなくイデオロギーの問題か。しかしそのイデオロギーは、現実を厚化粧のCMなどで歪めることで辛うじて成立していることも事実だろう。


ところで現場の活動家によるブログらしい下記によれば次のように報告されている。

http://d.hatena.ne.jp/dankaizaru/20060703
日本では最近は2ヶ月、3ヶ月、半年、1年、3年といった細切れの短期間の雇用契約が大半である。2004年からの労働基準法改正?で、それまで1年を超える有期契約は禁止されていたのが、この時から最高3年に延長され「緩和」された。法律上は期間が長くなったから、細切れ雇用が減るのかとおもいきや、現実はその逆を進んでいる。最近の労働市場をみると、派遣・パート・請負などの非正規雇用求人が増えていて、それも<間接雇用>の形態をとったものが多い。細切れ雇用は、期間満了/中途解約/解雇→失業→求人→有期雇用契約→といった繰りかえし。絶えず失業と背中合わせで生活せざるをえない。失業が予定され、前提とされているのだ。

「今いちばん重要な労働組合と運動の課題は、非正規労働・有期雇用契約・間接雇用を見直し、改めさせていくことにあると思う。」というのは正論。だいたい労働者の代表たる連合は、こうした問題に取り組んでいるのだろうか。金が余っているはずだからしっかり取り組んで欲しいものだ。
 “非正規”は何処にでもいる。だが(不思議なことに)法的経済的には彼らの状態は是認させ、異議申し立ては聞こえないことになる。
“非正規”という名前の白昼の幽霊たち!!