松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

北朝鮮人民=金正日 の場合

(1)「朝鮮人の存在*1を否定すること」は世界で最も悪いことだ。ちょっと通俗的ではあるが、大東亜戦争敗北の教訓として妥当な命題である。
(2)「北朝鮮(国家)の存在を否定すること」は世界で最も悪いことだ。
これについては議論の余地があるのだが、北朝鮮人民=北朝鮮国家(金正日)といった通俗的等式によれば、(1)と同じに、この世で最も大事な価値となる。
(3)したがって「金正日の権威を否定することは、朝鮮人の存在を否定することだ」、という命題は充分説得力を持つ。
(・・ しかしながら、最近日本では、金正日は絶対悪の*2独裁者だという見方が広まった。そして、北朝鮮人民=北朝鮮国家(金正日)という等式も必ずしも支持されていないようだ。しかしそのような等式による朝鮮人差別もまだ残存している。)
・・ 両方を比較検討して言えることは、国際政治の場だけでなく一般的な言説の場においても、国家だけが発言(represent)権を持つ、ということ。それに反し、わたしたちは流通しやすい言説の構造を疑い、事実に迫ろうとしなければならない。
国家の立場ではなく、比較的低い民衆の目線から見ようとすること。これは言うのは簡単だが、実現するのは難しいのは言うまでもない。

*1:その半分であっても

*2:横田めぐみを抑圧したから