松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

あなたが存ればよい。

五倫は惟(た)だ夫婦に在り。此の夫婦は男女にして一人なり。(略)此が自然の五倫なり。(略)然るに、聖人、私の制法を以て君臣、父子、夫婦、兄弟、朋友の五倫を立て、推して上に立てて君臣と為し、自然の五倫を盗んで自然の直耕を貪り食う。
(安藤昌益『統道真伝』)

『ブックガイド日本の思想』p52から孫引き。
今日ではむしろ、恋愛=欲望=消費主義やマイホーム=マンション購入主義への批判を先行させなければいけないかもしれない。一方、靖国をはじめとする国家主義は君臣、父子、兄弟、朋友の関係を(わたし=たちに先立つ)倫理として定立していこうとしている。
安藤昌益について何も知らないのだが、「五倫は惟(た)だ夫婦に在り。」という思い切った断言は興味深い。
(このテーマについてわたしを支配しているイメージは、先日も書いたとおり、戦後60年戦死した恋人の腐らない屍体を小舟に乗せて彷徨っている<元ちとせ>、にあります。「靖国がいらない」とはこういうことだ。http://otd9.jbbs.livedoor.jp/908725/bbs_plain?base=95&range=1