松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

囚人の帽子(その4)

「n人の囚人に, 赤の帽子 n個と 白の帽子(n-1)個の場合 --- 練習問題」
を考える。分かったらすぐに手を挙げるルール。
表記が繁雑になるので 10人の囚人に, 赤の帽子 10個と 白の帽子9個の場合を考える。

1a)Aさんが、白の帽子9個を見る>(白はそれ以上ないので)自分は赤だと分かる。
1b)手が挙がらない場合>>「白=9」ではなかったことが、全員に分かる。
(ここまでで1分掛かるとする)

2a)Aさんが、白の帽子8個を見る>(白はそれ以上ないので)自分は赤だと分かる。
2b)手が挙がらない場合>>「白=8」ではなかったことが、全員に分かる。
(ここまでで2分掛かる)

3a)Aさんが、白の帽子7個を見る>(白はそれ以上ないので)自分は赤だと分かる。
3b)手が挙がらない場合>>「白=7」ではなかったことが、全員に分かる。
(ここまでで3分掛かる)

4a)Aさんが、白の帽子6個を見る>(白はそれ以上ないので)自分は赤だと分かる。
4b)手が挙がらない場合>>「白=6」ではなかったことが、全員に分かる。
(ここまでで4分掛かる)

という風に順に進んでいき、10分間手が挙がらなかったら、「全員が赤だ」と判断できることになります。
ところが、実際には推理し手を挙げるまでの時間は人により異なっているので、上記のように同期をとることができません。
任意の瞬間に手を挙げても良いのではなく、
1分ごとに「分からない/分かった」の旗を同時に挙げる、とルールを改正すれば、この問題点は解決します。

id:noharra:20041113#p3 の(その1)の問題では、
少なくともちょっとの時間、3人が黙って考えていて手を挙げなかったことになっています。「賢者」であることがことさらに強調されているので、その間に、(2b)まで進むことができただろう、と考えることもできます。その場合、「全員赤」になります。
「Aに聞き、次にBに聞き」というストーリーの設定はこの問題には馴染まないということだろうか。