松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

2006-03-16から1日間の記事一覧

3月9日山中さん死す。

鋭敏な言語感覚による前衛的な作風で知られた歌人の山中智恵子(やまなか・ちえこ)さんが9日、急性心不全のため死去した。80歳だった。 名古屋市生まれ。三重県鈴鹿市在住。京都女子専門学校(現京都女子大)卒。前川佐美雄に師事。「日本歌人」復刊にか…

冥界にありて

われはいま冥界にありて死者とゐるこのよろこびに夏茜さす 山中智恵子『風騒思女集』「月山」http://www2.biglobe.ne.jp/~naxos/tohoku/naitouph.htm

ためらはず垂直にわが身を

参考 http://www2.biglobe.ne.jp/~naxos/essais/chiekoch.htm 山中智恵子のキリスト教 --神の死と歌うこと-- 仰向けにねころべば一面のすすき原泡だちて空にのぼりゆく白さ 手を触れればほうほうとすすき吹かれゆくその絮も白き雲とは化(な)らず 無辺際の落…

青旗

鳥追ひの青旗なびく稲の村 まぼろしの日のいくつ訪はむか革命は成るも成らぬも韓国(からくに)や帯方(たいほう)の鼓(こ)は水門(みなと)に着きぬ 山中智恵子

我思ふゆゑに汝も在りなむ

わがゆめの 髪むすぼほれほうほうと いくさのはてに 風売る老婆 よしさらば ひかりに堪えて ながらふるもみじと髪と とおき誓約(うけひ)と 春がすみ混沌の世にたなびきて我思ふゆゑに汝も在りなむ 雨師(うし)として祀り棄てなむ葬り日のすめらみことに氷…