松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

戦争と日本精神を信じていた自分という下半身

id:bogus-simotukare 氏が、次のようにコメントしてくれた

>それを全否定した69年後が現在である

いやいや「靖国的意味での日本精神」を否定できなかった(その政治力を完全に断つことが出来なかった)から「今、安倍がそれを復活させようとしてる」んでしょうに。

これはなかなか的確なツッコミである。


1,1945年、村岡に逆らい、インテリは昨日までの自己を恥じ早急に否定しようして、日本精神に長所などありはしない、と決めた。そのことを考えるのを放棄した。つまり昨日まで、戦争と日本精神を信じていた自分という下半身を、なかったものにしたいという欲望のままに、忘却した。
2,そして、民主主義または階級闘争という旗印の方へ駆け出した。
3,つまりここで、民主主義または階級闘争というものは、下半身を含めた自分の存在の全部から語られるものではなく、時流に合わせて口先で唱えるものとなった。


で69年後。日本精神という内容を消去した、形式的な愛国心、無内容であると宣言された日の丸、君が代とともにこっそり復活していた。無内容であると宣言された日の丸、君が代を学校教職員に強制することに反対する人は、不思議なことに非常に少数派だった。
でなんだか分からない愛国心とともに、憲法改正の動きが強まっている。


(その政治力を完全に断つことが出来なかった)とシモツカレ氏は言っているが、戦後ずっと支配してきたのは、自由民主党である。
自由民主党は、日本精神あるいは靖国を捨てましたと嘘をついてきたのか。そうではない。自由民主党憲法改正を党是に掲げている。現在の憲法も1条に天皇が存在する。
いったい戦後69年とはなんだったのだろうか。日本精神は一度も死なずぶくぶくと太り続けてきたのだろうか。


とりあえず、疑問形のままこの文章は終わる。

シモツカレ13日コメント

シモツカレ氏は(戦後)「軍国主義固執するアナクロと「軽薄な民主主義への転向者」しかいなかった」わけではない、と言う。そりゃそうだ。
で、「自民党はそのあたりは曖昧にごまかしてきた」と。

太り続けたかどうかはともかく、残存し続けたことは確かでしょうね。そういう面では戦後民主主義に問題はあった。

軍国主義や日本精神の残滓を除去すれば、日本は良くなる、というのがシモツカレ氏の考え。
69年前と同じことを言っているのでは、だめだろうと思うが。


軍国主義や日本精神を悪者にしても、国民国家は残る。そうしたものを悪者にすれば解決するという思想が、マズかったのではなかろうかね。


(自信なさげモードから抜け出せない。)