松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

塩素38の存在は再臨界の証

「タービン建屋内は塩素38(変わった放射性核種)が出ており、これは再臨界としか思われない」、と上記で小出先生が言っているが、これは下記の論文を根拠にしている。


福島第一原発1号機(タービン建屋)で見つかった高濃度放射性塩素-38の原因は何か?」フェレンス・ダルノキ−ベレス
その英語日本語対訳(寺尾光身氏による):
http://www.japanfocus.org/data/3509WhatCausedTheHighCL38JapaneseEnglish.pdf


アージュン・マキジャーニ氏による解説はこちら
http://peacephilosophy.blogspot.com/2011/04/is-unintended-recricality-ocurring.html


3月25日に東京電力が発表したデータに「CL-38 1.6×10^6 」という数値があった。
塩素の同位体である塩素38は天然の塩素に4分の1ほど含まれる塩素37が中性子を吸収するときに作られものだが、半減期が37分と短い。ということは3/11に核分裂が停止して即発生が停止していたら、その後数日で皆無になっていたはずのもの。


停止している燃料棒に使用中にできたプルトニウームなどの自然崩壊でできた中性子によってできた可能性もある。そこでこの論文ではその可能性を数値的に評価して、上に書いたような多様の塩素38を形成できる可能性はないと結論する。それは別の方法つまり再臨界核分裂によるものだろうということになる。*1
(4/10記)

論文の訳者、寺尾光身さんによる論文の概略。

http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-April/008860.html

*1:ちなみに、中性子線は、3/12〜14日に計13回検出されていた、とのこと。