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「死刑の在り方についての勉強会」

 法務省は6日、同省幹部らで構成する「死刑の在り方についての勉強会」を立ち上げ、第1回の会議を開いた。死刑制度の運用実態や諸外国の状況などを分析、論点整理し、制度そのものの存廃を含めて検討する。近く人権団体や被害者団体、専門家らへのヒアリングも始める予定だ。

 千葉景子法相は勉強会の冒頭、「死刑は人の命を絶つ極めて重大な刑。国民の意見に十分耳を傾けつつ、冷静に議論を進めてもらいたい」とあいさつ。裁判員制度の導入にも触れ「裁判員のみなさんが(死刑を)判断する重い責務を課される中、より広い国民的議論の契機にしたい」などと述べた。

 勉強会は同法相が先月28日に2人の死刑執行に立ち会った後、設置を決定。メンバーは同省幹部や担当部局などで構成し、制度の存廃のほか、確定死刑囚への告知方法といった執行のあり方、制度を巡る情報公開などをテーマに議論を進める。議論の取りまとめまでの期限は特に設けないという。専門家や関係団体に意見を聴くほか、制度に対する国民の意識の調査なども行う方針。

 勉強会での議論の詳細は原則的に非公開だが、外部の識者らへのヒアリングではやり取りを公開する見込み。

 死刑制度に関する省内勉強会は、2007年に当時の鳩山邦夫法相が設置して以来。07年の勉強会は、刑を執行された死刑囚の氏名公表などにつながった。
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819695E2E4E2E2988DE2E4E2EAE0E2E3E29180E2E2E2E2;at=ALL