自衛隊イラク派兵を総括できない民主党
11月19日17時55分配信 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091119-00000581-san-pol平野博文官房長官は19日の参院内閣委員会で、平成15〜20年にイラク特別措置法に基づき同国に派遣した自衛隊の活動について「違憲だとは考えていない。われわれの理解では(活動場所は)非戦闘地域だったという認識だ」との認識を示した。民主党は野党時代、イラクを戦闘地域と位置づけ、自衛隊の撤収を求めてきたが、前言を撤回したことになる。
平野氏は答弁で「自衛隊が活動した地域がイラク特措法の定める通り非戦闘地域だったかどうかは、野党のときには十分分かっていなかった」と釈明した。小沢一郎幹事長が「違憲」と断じていたインド洋での補給活動に関しても「憲法違反ではないと認識している」と述べた。連立政権に加わる社民党は自衛隊の派遣自体を違憲と主張しており、食い違いを見せた。
一方、岡田克也外相は19日の参院外交防衛委員会で自衛隊のイラク派遣について「当時の小泉純一郎首相は非戦闘地域の定義をきちんと答えなかった。今でもあのときの議論は明確な解決に至っていない」と述べ、閣内の足並みの乱れを露呈した。
民主党はかつて、小泉首相の「自衛隊が活動する地域が非戦闘地域」との答弁に猛反発。鳩山由紀夫首相は党幹事長だった17年9月、衆院本会議の代表質問で「現在のイラクにはイラク特措法に言う非戦闘地域はない」と主張し、岡田氏も党代表だった同年1月の代表質問で「現在のイラクに非戦闘地域はない」と明言していた。
http://www.asyura2.com/09/senkyo74/msg/976.html
「フセインは大量破壊兵器を持っていなかったから、イラク戦争は根底から誤った戦争だった」に対する議論が、ほとんど存在しなかったのが日本でした。でその代わりにあったのが「「自衛隊が活動する地域が非戦闘地域」との答弁に猛反発」。そもそも、小泉のこれは一体何だ?論理をあからさまに拒否することで、裏に存在している「権力」の不可侵を誇示するというパフォーマンスだったのでしょうか。*1ともあれ、それに反発することで民主党は一縷の希望であり続けたわけですが。
平野発言はすべての終わりを意味する。
会議録
念のため、会議録の該当部分を改めて引用しておく。
○岡田克也君 …そこで、自衛隊のサマワにおける活動について、総理はサマワは非戦闘地域であると、こういうふうに言われました。非戦闘地域であるという、断言されたその根拠は何なんでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 根拠といえば、戦闘が行われていないということ、だからこそ非戦闘地域である。(発言する者あり)
○岡田克也君 じゃ、総理、お尋ねしますが、お尋ねしますが、その議論の前提としてイラク特措法における非戦闘地域の定義を言ってください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) イラク特措法に関して言えと、法律上、いうことになればですね、自衛隊が活動している地域は非戦闘地域なんです。(発言する者あり)
○岡田克也君 私が申し上げたのは、イラク特措法における非戦闘地域の定義を言ってくれと言ったんです。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは定義は、それは文書を持ってくればすぐ言えますよ。党首討論ですから、考え方を言っているんです。私は、特措法というのは、自衛隊が活動する地域は非戦闘地域である、これがイラク特措法の趣旨なんです。(発言する者あり)
--- 平成16年11月10日衆・国家基本政策委員会合同審査会イラク特措法における非戦闘地域の定義を問われての答弁なので、自衛隊が活動する地域がそうだ、という趣旨に聞こえなくもないが、(「非戦闘地域」との語そのものは用いられていないが、)「我が国領域及び現に戦闘行為(国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷し又は物を破壊する行為をいう。以下同じ。)が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる次に掲げる地域(註:活動についてその同意がある外国の領域並びに公海及びその上空)」(第2条第3項)が正解だからそれを答弁すべきだったのだけれども、これが出てこなかったのですれ違い答弁をした、ということだろう。だからこそ、質問者である岡田代表もそりゃ答弁になってないよということで「定義を言ってくれと言ったんです。」と再度質問しているわけだ。にもかかわらず、次のように小泉総理を批判する材料として用いられるに至った。
http://www.seri.sakura.ne.jp/~branch/diary0704.shtml#0415
「小泉総理の答弁が「自衛隊が活動する地域は非戦闘地域」であり、「自衛隊が活動する地域が非戦闘地域」ではなかったことを述べ、「は」が自明な内容を示す一方で「が」は新たな話題を示す、すなわちこの文例であれば前者は事実を、後者は定義を述べるものであるというこれらの助詞が持つ微妙な意味の相違を指摘」する、人。
わたくしたちの日本において論理は常に、奴隷の論理にスリ落ちる危険性を持っている。
*1:奴隷の国、日本