松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

問題は人命ではない。

 *1
下記のメールにあるように、イスラエルは一方的停戦を宣言したそうです。
全世界の保守派はこぞってこの決断を称賛することになるでしょう。


でガザはハマスの支配を失うと。
ではもう一度選挙すればまたハマスが勝利するのでは?


今回の大攻撃は12月27日に始まったが、それまでのガザの状況がどうだったのかを、私たちは絶えず思い出さないといけない。

 陸・海・空が完全に封鎖された人口密集地帯。そこには、容赦なくイスラエル軍による空爆がなされ、毎日のように民間人の死傷者が出ている。「ハマスの活動家を狙ったのが不運にも外れた」とイスラエル軍は、毎度のごとく釈明するが、住宅地を空爆すれば、民間人の死傷者が出ることは、最初からわかっていたことだし、それが繰り返されてもいっこうに作戦をやめる気配はない。このことについては、 「暗殺作戦の真の意図は?」 を参照。
 また、このガザの閉域から出ることは重病人でさえままならず、医薬品の持ち込みも制限され、治療を受けられずに亡くなる人も次々と出ている。
 加えて、今年に入ってからは、食糧や燃料の搬入も厳しく制限されており、ガザ地区の日常生活は壊滅的な打撃を受けている。すぐにガソリンが欠乏し、一般車はおろかタクシーさえも走らなくなった。発電用の重油も不足し、電力もまかなえなくなった。電力不足は、病院の機器さえ停止させるにいたっている。さらに、毎日の主食であるパンを焼くためのガスもなくなり、パン屋が店じまいに追い込まれている。

 狭い空間に閉じ込められ、毎日、空爆と病気と飢餓に苦しめられ、バタバタと人が死んでいくという事態は、第二次大戦期にヨーロッパでユダヤ人がゲットーで経験したことと、どう違うというのだろうか? (早尾貴紀
http://palestine-heiwa.org/note2/200805140618.htm

これは去年5月の状況でありその後もずっと悪い状況は続いていたと思われます。

さきほど、イスラエル首相は記者会見で日本時間の日曜日の午前8時からの一方的停戦を
記者会見で宣言しました。イスラエル軍撤退に関しては「数日様子を見る」とも述べましたが、
ハマス側がこれからどのように出るかがひとつの問題です。無視して攻撃に出るか否かがここ数時間のポイントです。

今日の日曜日にはエジプトのムバラクの招待で、英独仏首相を始め関係者の緊急首脳会談が紅海沿岸の街で行われます。

いずれにしても、12月27日の空爆以来、ひとつの大きな節目に入ったことは間違いありません。
なを,土曜日のガザの国連の学校の砲撃で避難民の子供らが死傷した件については、戦争犯罪として
国連が追訴すると、現地の国連職員が表明しています。

当面は、数日間でも停戦が実現し、救援部隊とジャーナリストがガザ入りできればよいのですが。
(梶村太一郎さん のメールより)(2008.1.18)

  *2

*1:というのはもちろん反語で、わたしにとってわたしの命は全ての根源でありそれを軽視できない以上他人の命も軽視できないのは当然です。

*2:「問題は人命ではない」のなら何だ?、という問いがある。オスロ合意という枠組のなかで、イスラエル国家は分離壁を作りガザを「蒸し焼き状態」にし、ハマスを選ぶというパレスチナ市民の政治的意思を否認した。それはオスロ合意違反として厳しく糾弾されることなく現在に至った。二つの民族共存に対して国際社会が提示した枠組は口先だけで尊重して置けば良いということをイスラエルに教えたことが、今回の悲劇をつくり出した。