松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

有罪な方程式(ブラック・ショールズの)

 貧乏人には縁が無いが、なんとかかんとかの方程式というのがあるそうで、解説は例えば下記にある。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF-%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%BA%E6%96%B9%E7%A8%8B%E5%BC%8F
 デリバティブ金融派生商品)の価格づけに現れる偏微分方程式(及びその境界値問題)のことである。 ブラック-ショールズモデルは1973年にフィッシャー・ブラック(Fischer Black)とマイロン・ショールズ(Myron Scholes)が共同で発表した理論。これによりショールズとロバート・マートンノーベル経済学賞を受賞した、1997年に。

金融工学で中心的な役割を担っているブラック・ショールズのオプションの公式は、ノーベル賞の対象となり有名ですが、市場の変動を単純な確率モデルで近似して捉えられるのは、この95%の小さなゆらぎの部分だけです。一番大事な大きな変動の部分(中村注: 残りのたったの5%くらいの小さな部分であっても全体に大きな影響を与えるのがベキ分布)をすっぽり無視してしまっていることになりますから、金融の現場では、この公式をそのまま使っている人はいません。リスクを過小評価することになっているからです。
(略)
このように、オプションの適正価格の計算のためには、将来の市場価格の変位の分布に関する情報が不可欠です。
 金融工学の問題点は、これまで何度も述べたように、肝心の将来の確率を計算するところで、現実のデータとは性質が違うことに目をつぶり、計算が簡単な数理モデルを使って、数学的にきれいな公式にしてしまっていることです。
一言で言えば、大きなリスクが発生する確率を非常に小さく見積もってしまっているため、オプションの価格を安すぎる価格に見積もってしまうことになるわけです。
http://iiyu.asablo.jp/blog/2006/12/07/985911

 「ブラック・ショールズの式」は、オプション価格を算出するための式で、この式により誰でも簡単に適正なオプション価格が算出できるようになった。しかし、この式は市場が落ち着いていて、人々が理論どおりに行動しているときに適用できる式だった、ということだそうです。
http://kikkawaseminarkeio2007.blogspot.com/2008/01/blog-post_13.html


 方程式自体には罪はない、だろうか?
わたしは罪があると思う。恐慌(今回のようなできごと)を含むのが現実であるのに、そうではないものが現実であると仮定し、仮定でしかないものを現実であると信じさせた罪。