松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

サバルタンは撮ることができるか?

小鳥=サバルタン とすると、
一般にはわたしのようなど素人カメラマンはそれを撮ることができない。撮ろうとすると逃げてしまうから。
ただし、巣立った途端の小鳥については、話が別だ。彼らは自由に飛ぶ能力がまだないので、逃げることができずこちらの意のままに撮られてしまう。

でおととい見た映画、闇の子供たちでは、子供に性の奉仕をさせながらそれをビデオに撮って喜んでいる男が出てきた。この場合の子供であることの意味は、上のヒヨドリの例と比べて考えるとよく分かる。大人であれば娼婦であっても同じ値段で撮影を承諾することはありえない。

でこの2例だけからむりに一般化すると、わたしたちはサバルタンというものは知り得ないが、サバルタンの二乗は知り得る。サバルタンの二乗だけのことをサバルタンと勘違いする。
ペシャワール会については(奇特な人しか)知りえないが、ペシャワール会の不幸については国民的話題になる、と。