イスラエルの代弁を繰り返す外務省OB
野上義二元外務次官という方がいるらしい。
http://www.amakiblog.com/archives/2008/07/04/#000982 に書いてある。
「彼は8年前に日本が沖縄サミットを主催した時、外務審議官としてシェルパ(首脳個人代表)をつとめた経験がある。」という偉い人だ。
質問が北朝鮮の核問題に及んだ時である。彼は次のように答えていた。
「・・・この問題(核拡散)で、世界的に見て一番深刻なのはイランだ。(「日本国内はイランよりも北朝鮮だが」という問いをさえぎって)日本の国益は拉致問題であってイランは国益に関係ないという議論にはならない・・・イランが核兵器国になり、湾岸ですごみを聞かせたとき、世界のエネルギー状況はどうなるのか・・」
彼が外務次官のとき、私はレバノンの大使であった。その時私は、彼が訪日中のイランの外務次官と公式会談をした中で、「イランはパレスチナ問題から手を引け」と面と向かって発言した事を知った。
中東問題では中立を保つことに苦慮してきた日本外交であった。欧米と違って日本は中東では手が汚れていない。アラブの対日感情も悪くない。中立は日本外交の強みであった。
その日本外交を担う外務省のトップが、どうしてこのような発言ができるのか。
私は本省に直ぐに質した。
「中東問題で中立を保つ事に腐心してきた日本ではなかったのか。この発言は野上次官の個人的な発言か、それとも日本外交の公式な立場なのか」と。
東京からはなしのつぶてであった。
後で知った事だが、野上元次官に関してはいくつかのエピソードがある。
米国大使館勤務時代にユダヤ系米国人に評価され、「これで俺の出世はまちがいない」と外務省内で吹聴していたことや、彼が中近東局の参事官の時に起きたマルコポーロ事件で、ユダヤ批判の言論をする出版社を非難したこと、などである。
以上。
パレスチナ/イスラエル問題は難しい、と素人は思う。しかしそう思わされている面もあるのだ。利権絡みの「専門家」が訳の分からない言葉を振り回し素人の常識を相対化し否定してしまう。イスラエルの場合利権集団とはいっても、もはや巨大過ぎてなかなか把握できないという問題*1もある。いつの場合も大事だが難しいことは現在常識と信じられている地平が歪んでることに気づくことだ。板垣雄三さんが言っていたように、30年前に日本の保守派がイスラエル問題に付いてどう言っていたかを思い出すことができれば、地平が歪んでることに気づくことはできるのだが。・・・
(7/6 追記)
追記:ついでに思い出しておく。
- 新しい歴史教科書をつくる会関係などに大衆動員できる最大の団体である「キリストの幕屋」「キリスト教シオニズム」の団体。
- 2006.2.27、「新しい歴史教科書をつくる会」の会長になった種子島経(おさむ)理事はシオニスト。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A8%AE%E5%AD%90%E5%B3%B6%E7%B5%8C