松下昇への接近

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カカオ豆の生産と児童労働

現在カカオ豆を生産している主要国のうち4カ国が西アフリカ(カメルーン、ガーナ、コートジボワール、ナイジェリア)に集中していて、ここでの生産は世界の生産高の約7割を占めます。中でも世界の43%の生産量をかかえ、国民の3分の1がカカオかコーヒー栽培に関わっているという国が、コートジボワールです。
http://acejapan.org/modules/tinyd8/index.php?id=1

IITA(国際熱帯農業研究所)が実施した西アフリカのカカオ生産における児童労働の調査では(2002年発表、世界カカオ基金、米国国際開発庁及び労働省ILO、各国政府の協力の下実施)、コートジボワールだけで約13万人の子どもが農園での労働に従事しています。カカオ農園は小規模な家族経営である場合が多く、子どもが家族の手伝いとして働いている場合もありますが、1万2千人の子どもが農園経営者の親戚ではない子どもだったそうです。また、農園経営をする家庭の子ども(6歳−17歳)の3分の1は、一度も学校に行ったことがありません。その中には「何らかの仲介機関」によってこの職についている子どももいて、他国から誘拐され奴隷として売られて強制的に働かされている、という報道や他の文献の指摘を裏付けています。この調査では、西アフリカのカカオ農園で働く子どもの64%が14歳以下と述べていて、カカオ栽培の労働集約的な作業、特に農薬の塗布、刃物の使用などは子どもの身体に危険をもたらす可能性が高いといえます。(同上)