松下昇への接近

 旧 湾曲していく日常

ガソリン減税か道路特定財源か?

 わたしは常々ガソリン代が上がっても文句を言わないようにしようと思っている。わたしは小さいながら自動車を一台所有している。*1だけど実は車にはほとんど乗らないのでガソリン代上がったからといってほんの少ししか困らない。*2車は多すぎるから自動車税はもう少しあげても良いというのがわたしの立場。しかしそれは都市居住者の有利な立場に立った意見であり、車がなくては生活できない地方生活者の感覚に敵対している、と言われればそうかもしれない。

 揮発油税など道路特定財源暫定税率維持を求める都道県議会議員らが23日、東京・永田町の憲政記念館で総決起大会を開き、暫定税率廃止を求める民主党への批判が相次いだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080123-00000958-san-pol

 また、県議らは「地方は道路が命の次に大切だ」「ガソリン値下げの意見は、財源を示さなければ国民をあざむく行為だ」(略)などの声が相次いだ。(同上)

道路特定財源一般財源化して暫定税率を廃止する」というのが民主党の方針。財源を示しているのに「財源を示さなければ」なんて言って意味不明な県議もいるらしい。*3命の次に大切なものは金である。ガソリン代の値上げは日々の家計を圧迫する。道路を作ったとしてもそこで実際に働いた地元の人々の収入になる金自体1〜2割くらいだろう。100%を自動車を使用する市民に還元する方が効率的であることは間違いない。もし大都市市民や大会社に還元するのが不当であれば、都市から地方へ金を回せばよいだけである。

自民党のバラマキは公共事業重視で予算により総需要を創出して、地域間格差を是正しようというものだ。一方、今の民主党のバラマキは社会福祉重視で地場企業の活性化による間接的なものでなく、個人に対して直接的なものが中心である。
http://d.hatena.ne.jp/kechack/20080119

 第三の道での格差是正は個別主義、個人対象が基本である。競争力を失った産業や企業を規制や補助金で守るといったことは嫌い、その部分では新自由主義的である。(同上)


参考までにkechackさんの作った表をお借りして掲げておく。

確かにインフラ整備によって戦後日本は先進国化した。しかしそれは過去の話であり、「狸や鹿のための道路」をこれ以上作ることがよりより明日を作れると誰も思っていないのではないか。今回の道路特定財源問題では各県知事や議員が騒いでいる、彼らは市民の代表としてではなく彼ら自信の利害によって行動しているに違いない。
国家とは何か?について、端的なビジョンを提出したのは立岩真也である。国家は金持ちから税を取り立て貧乏人の口座にそれを振り込むというのが彼の「分配する最小国家」論である。(乱暴過ぎる要約かな?)
http://www.arsvi.com/0w/ts01/1999001.htm


わたしは「分配する最小国家」論の名前によって道路特定財源の即時廃止を求める。

*1:たぶんブログで野原を知っている人にとっては意外であろう。

*2:実際の自分の利害ではなく空気に回りにあわせて自分の感覚を錯覚してしまうのがもっとも愚かなことだ。

*3:存在基盤がなくなるという危機感にかられて頭に血が昇っている?